台湾ビジネスニュース2025年9月号
台湾の情報サービス企業「ワイズコンサルティング」から、最新の台湾経済と社会に関するレポートが発表されました。本号では、特に台風18号による花蓮県のせき止め湖の決壊がもたらした甚大な被害に焦点を当てています。それだけではなく、米国の軍事企業との兵器開発提携や、台北の「安倍晋三研究センター」の設立、高雄駅前の大規模都市再開発計画、さらにはセブン-イレブンによるAIを活用した宅配便の自動受取ロッカーの開発に関するニュースも取り上げています。これらの注目トピックを通じて、台湾が直面する課題と進展を多角的に分析していきます。
台風18号の影響と被害状況
「スーパー台風」と称される台風18号の接近によって、23日午後に花蓮県にある馬太鞍渓上流のせき止め湖が決壊しました。この決壊により6800万トンもの水が流れ込み、光復郷で大規模な浸水被害が発生しました。また、確認されているところでは、15人が死亡し、31人が行方不明であり、地域住民は避難を余儀なくされています。
中央政府は、台風が接近する前から避難警報を発し、花蓮県の役場は早期の避難を促しましたが、実際に避難が進んでいたかは疑問が残ります。行政院の卓栄泰・行政院長が視察の際、「避難計画に不足があった」と発言したことも示す通り、対策の遅れが災害の影響を増大させた可能性があります。
兵器開発の提携
次に関心を引くのは、台湾の国家中山科学研究院(中科院)が開発した戦車用の装備です。中科院は、米軍事企業のレオナルドDRSと提携し、M60A3戦車用の制御・照準システムを各国へ代理販売することを決定しました。このような形で台湾の兵器が海外に販売されるのは初の試みで、台湾の防衛力強化が期待されています。
安倍晋三研究センターの設立
また、国立政治大学に設立された「安倍晋三研究センター」は、日本の外交や経済政策の研究を目的としています。このセンターの設立は、日本と台湾の関係を深める一環として歓迎されており、より多くの交流が期待されます。
高雄駅前の都市再開発
さらには、高雄市の鉄道駅前で進められる都市再開発計画も注目です。冠徳建設が最優秀申請者に選ばれ、このプロジェクトは2034年の完成を目指しています。この再開発により、地域は更に活気づくことが期待され、観光やビジネスの拠点としての役割を果たすでしょう。
セブン-イレブンの技術革新
最後に、セブン-イレブンが開発したAIとIoTを活用した宅配便の自動受取ロッカーは、使い勝手の良さが魅力です。これにより、顧客は以前の2倍の荷物を保管でき、スムーズに受け取ることができます。今後、商業活動がさらに効率化されていくことが期待されます。
以上のように、台湾では様々な分野で革新と課題が交錯しており、今後の動向から目が離せません。これらの情報を引き続き追っていくことで、台湾ビジネスの全貌が見えてくるでしょう。