愛知の子育て家庭、厳しい経済状況の実態と支援の必要性
愛知県北名古屋市に拠点を置く特例認定特定非営利活動法人フードバンク愛知が実施した調査によると、支援を受けた749世帯の66%が世帯年収300万円未満であることが明らかになりました。これは令和5年国民生活基礎調査が示す子育て世帯の平均年収820万円を大きく下回っており、経済的な困難に直面している家庭の実態が浮き彫りになっています。
調査結果の詳細
この調査は2025年7月31日から9月5日の間に実施され、子育て支援セットを申請した家庭を対象に行われました。調査結果には、以下のような重要なポイントが含まれています。
- - 年収の現状: 調査に参加した家庭の66%は年収が300万円未満、またそのうち40%は200万円未満という厳しい状況が報告されている。
- - 支援希望の理由: 88%の家庭が「お米の高騰」を理由に支援を申し込んでおり、続いて83%が「食品の価格高騰」を挙げています。このことから、生活必需品の値上がりが子育て家庭に深刻な影響を与えていることが明らかとなりました。
- - 体験格差の現状: 56%の家庭が「直近1年間で体験活動が減った」と回答しており、自然体験や旅行などの機会を持てていない家庭が多く存在しています。
- - 学習への影響: 調査結果では、31%の家庭が「塾や予備校に行けない」と回答、11%が「参考書を購入できない」とのことです。特に、学習環境が整っていないことが子どもたちの学習意欲にも影響を及ぼしていることが分かります。
調査の意義
フードバンク愛知の調査は、経済的困難が子どもたちの成長に必要な体験や学びを奪っていることを可視化するものであり、支援が必要である理由を社会全体に訴えるものです。また、将来的には支援が子育て家庭に与える貢献を明らかにすることを目指しています。
現在の経済状況では、特にお米は家庭にとって欠かせない主食であるにもかかわらず、その価格が急騰し、多くの家庭が困難な状況に置かれています。このため、フードバンク愛知ではお米の寄付を呼びかけています。特に、家庭や企業で備蓄している防災用のお米があれば、ぜひ譲っていただきたいとのことです。
今後の活動と支援イベント
さらに、フードバンク愛知では、9月15日に西三河フードバンク連絡協議会主催の「ひとり親相談イベント」に理事長が参加し、ひとり親家庭に向けた相談支援を行う予定です。参加者は生活や子育てに関する悩みを共有できる環境が整えられ、必要に応じて行政や福祉機関へつなぐ支援が提供されます。
イベント詳細
- - 日時: 2025年9月15日 13:00 - 16:00
- - 会場: ママトコ(愛知県豊田市桜町2丁目56)
- - 対象: 西三河地域のひとり親家庭
- - 内容: 生活や心の悩みに関する相談対応
このような取り組みを通じて、経済的な苦しさだけでなく、心の悩みを抱える家庭に“話してもいい場所がある”と伝えていくことが、地域の支え合いにつながると期待されています。フードバンク愛知は、地域の拠点として子育て家庭への支援を続けていきます。