TOWINGとタイSCG Cementが提携!持続可能な農業サプライチェーンの実現に向けて
名古屋大学発のスタートアップ企業、株式会社TOWINGが、タイの大手企業SCG Cement Company Limitedとの間で戦略的パートナーシップの覚書を交わしました。この提携を通じて、TOWINGの革新的な微生物技術を用いて、SCG Cementが製造するバイオ炭の付加価値を向上させ、持続可能な農業サプライチェーンを構築していくことを目指しています。新たな取り組みは、2023年10月17日にクアラルンプールで開催された「アジア・ゼロエミッション共同体」関連イベントで発表されました。
パートナーシップの意義
タイは世界的に見ても農業大国として知られており、その農業セクターは国の経済においても重要な役割を果たしています。しかし、長年にわたる集約的な農業により、一部の地域では土壌劣化が深刻な問題となっています。これに対処すべく、SCG Cementは農業残渣を活用したバイオ炭の製造を推進しています。一方でTOWINGは、微生物を活用した高機能バイオ炭「宙炭」を開発し、土壌改善に寄与しています。
両社の提携は、これらの課題を解決するために不可欠なものです。TOWINGの技術をSCG Cementのバイオ炭に応用することにより、土壌の健康を回復し、作物の生産性向上を図ることが期待されています。また、有機肥料の活用による化学肥料の削減や土壌への炭素貯留を通じて、温室効果ガスの排出量削減にも寄与することを目指しています。
生産体制の構築と新たな価値創造
この提携の具体的な第一歩として、両社はサラブリー県においてTOWINGの微生物培養設備を設置する準備に着手しました。これにより、原料の輸送コストを最小限に抑えつつ、高品質な宙炭の効率的な生産が可能になります。また、タイ国内の圃場においても共同で実証試験を開始しており、生産と検証の両面から事業化を進めています。
さらに今後は、食品企業や農業関連企業、国際金融機関、政府機関との新たなパートナーシップの可能性を模索していきます。TOWINGのポジションを活かし、持続可能な農業を循環社会の基盤として実現していくことを目指します。
TOWINGとSCG Cementの会社概要
TOWING株式会社
2020年に設立されたTOWINGは、「サステナブルな次世代農業を起点にした超循環社会の実現」を目指して活動しています。未利用なバイオマスを炭化し、微生物技術を活用して作られた農業資材である宙炭を通じて、持続可能な農業の実現に取り組んでいます。また、月面農業の研究開発にも関与しています。
SCG Cement Company Limited
タイの大手コングロマリットであるSCGグループの一員で、セメントおよびコンクリート製造のリーダー企業です。環境への配慮を重視し、持続可能な開発を推進しています。東南アジアへも展開しており、製品は世界各地に輸出されています。
お問い合わせ
TOWINGとSCG Cementの取り組みに関心を持たれている企業や個人の方々は、ぜひ下記のリンクからお問い合わせください。持続可能な農業の未来を共に築くためのパートナーシップを一緒に模索しましょう。