概要
熊本県に本社を構える老舗のパチンコチェーン、岩下兄弟株式会社は、BtoBプラットフォームの導入により、業務の大幅な効率化を実現しました。1970年の創業以来、地域の娯楽を担ってきた同社は、熊本県と宮崎県内に23店舗を展開し、多くの顧客に支持されていますが、請求書処理においては大きな課題を抱えていました。そこで、株式会社インフォマートが提供する「BtoBプラットフォーム 請求書」と「BtoBプラットフォーム TRADE」を導入した結果、どのような変化があったのかを詳しく見ていきます。
導入前の課題
岩下兄弟の課題は、月に最大1,000枚もの紙の請求書を200社から受け取っていたことです。請求書を郵送で受け取るため、承認作業も煩雑で、約15日という短い時間内に支払いを完了させなければなりませんでした。連休などが絡む月は、その業務が特にタイトになり、社員はストレスを抱える状況にありました。また、請求書の紛失や不透明な承認リレーの問題も深刻でした。
このような状況を打破するため、岩下兄弟は2016年に取引先からの要望を受けて「BtoBプラットフォーム 請求書」を導入することを決意しました。デジタルデータとして請求書をやり取りできるこのシステムは、従来の複雑な承認リレーを一新し、効率化に寄与することが期待されました。
導入の決め手
「BtoBプラットフォーム 請求書」が特に評価された点は、請求書をPDFなどに変換する必要がなく、データ形式で直接やり取りできることです。また、複数の関係者が一緒に情報を確認できることが、業務の透明性を高めました。この「データtoデータ方式」により、承認の流れもスムーズになり、業務そのものが容易に管理可能になりました。
導入効果
このシステムを導入したことによって、請求書処理にかかる工数が月間400時間から500時間削減されました。これにより、業務は月に約6〜7日の余裕ができ、社員はより戦略的な業務に集中できるようになりました。さらに、BCP(事業継続計画)対策にも寄与し、2020年の熊本豪雨に際しても、スムーズに請求書の処理を行うことができました。
景品の発注業務もデジタル化され、各店舗での仕入れ価格や発注状況が可視化されることで、無駄を排除できるようになりました。これまで異なる業者から入手していた同じ商品も、一括発注が可能になり、納品書の管理も簡略化されました。
今後の展望
今後、岩下兄弟はさらに「BtoBプラットフォーム TRADE」を活用し、消耗品の管理や工事の依頼管理もデジタル化する計画です。また、社内全体のDX(デジタルトランスフォーメーション)が進む中で、競合との差別化のために、AIを活用した緻密なデータ分析にも取り組んでいく方針です。これにより、蓄積したデータを元により戦略的な業務推進が期待されています。
このように、岩下兄弟の取り組みは、企業のデジタル化という新しい潮流の中で、業務効率化の好例といえるでしょう。今後の動向にも注目です。