三陽山長の新たな挑戦、紳士靴「零」シリーズ
日本が誇る紳士靴ブランド「三陽山長」が2025年春に新作「零(ぜろ)」シリーズを発表します。このシリーズは、これまでの同ブランドの中で最高価格の33万円(税込)となっており、その背景には革靴作りにおける卓越した技術があります。「零」シリーズは、アッパーに継ぎ目が一切ない「ゼロシーム」仕立てが特徴で、紳士靴の新たな価値基準を示すものとして期待されています。
「零」シリーズの特徴
新シリーズに含まれるモデルは、ホールカットの「壱(いち)」、ストレートチップの「弐(に)」、タッセルローファーの「参(さん)」の3種類。全モデルは「三陽山長」の直営店と公式オンラインストアで3月21日(金)から一斉に発売されます。
「零」という名称は、継ぎ目のない「ゼロシーム」仕立てに由来しており、この製法により洗練されたデザインと美しさを実現しています。アッパーの一枚革によるホールカットデザインは、わずかな不備があればシワや歪みを生じてしまうため、職人には非常に高い技術が求められます。
伝統と革新の融合
「三陽山長」の靴職人たちは、妥協せず完璧な仕上がりを追求しています。靴を様々な角度から見た時、その美しいラインやシェイプが際立つように設計されており、まるで彫刻のような一足が完成します。この「零」シリーズは、まさに日本の革靴作りの真髄を体現したものといえるでしょう。
高価格帯の開発背景
近年、日本国内の紳士靴市場では、高級海外ブランドと国産ブランドとの価格差が顕著になっています。「三陽山長」では、2019年の「匠」シリーズや2021年の「謹製」シリーズなど、高価格帯の製品が順次発表され、その支持が広がっています。特に最近では、売上が前年から44%も増加しており、国産高級紳士靴に対する需要が高まっていることがわかります。
この流れを受け、「三陽山長」は2020年頃から新たな製品開発に取り組み始め、辿り着いたのが「ゼロシーム」仕立てです。5年の構想を経て、ついにこの革新技術を実現しました。
日本の職人技の集大成
「三陽山長」の靴は、東京・浅草にある靴工場で制作されています。職人たちはすべての工程を熟知し、手仕事によるこだわりの仕立てを続けています。特に「ゼロシーム」仕立ては、アッパーのデザインに従う通常の製法とは異なり、一枚革の特性を活かした特殊な作り方です。
例えば、アッパーのパーツは楕円形の1点のみを使用し、普通の靴よりも長い時間をかけて形を定着させます。これにより、流れるようなフォルムが生まれますが、その分、作り手には高い技術と美意識が求められます。
最高級素材の贅沢
「零」シリーズでは、フランスのアース社のボックスカーフ「アニキス」を使用し、滑らかな足当たりと自然な艶が特徴です。ライニングには、デュプイ社の革を採用し、優れた履き心地を提供します。また、靴底は英国のJ.ベイカー社によるオークバークレザーを用いており、耐久性に優れた仕上がりとなっています。
各モデルの魅力
壱(いち)
デザイン:ホールカット
税込価格:33万円
「壱」は「パーフェクト・ホールカット」として、継ぎ目がないことにより、ミニマルな美しさを追求した一足です。
弐(に)
デザイン:ストレートチップ
税込価格:33万円
「弐」は、ホールカットを基にストレートチップ風のデザインが施されていますが、全て一枚革で表現されている点がポイントです。
参(さん)
デザイン:タッセルローファー
税込価格:33万円
「参」はローファーのデザインを洗練させた一足で、ビジネスからカジュアルシーンまで対応可能です。
発売情報
三陽山長「零」シリーズは、公式オンラインストアで先行予約を受け付けています。新たな革靴の進化を、ぜひ体感してください。
まとめ
「三陽山長」の新シリーズ「零」は、素晴らしい技術と素材、職人の情熱が融合した傑作です。高級紳士靴の市場で、新たな価値を生み出す「零」シリーズ。この機会をお見逃しなく!