歌と踊りで水難教育を実現するプロジェクト
愛知県岡崎市に本社を構える一般社団法人パワーストロークが、全国の子どもたちに向けて新たな水難教育の形を提案しています。この取り組みは、2026年6月13日・14日に大阪で開催された水難学会第16回学術総会で発表されました。内容は「ウイテマテ」と名付けられた教育ミュージックビデオ(MV)の制作で、視覚と聴覚で水難知識を身につけることを目指しています。
プロジェクトの背景
水遊びシーズンを前に、毎年水難事故が多発しています。この現状を打破するため、同団体は50年以上の指導経験をもとに、新たな遊び心を取り入れた教育方法として歌と踊りに着目しました。都会から離れた場所で子どもたちに届けたいと考え、MVの制作を通じて水難防止のメッセージを広める活動を開始しました。
利用者にとって覚えやすいメロディーと振付を取り入れ、家庭で歌い、学校で踊り、地域のイベントで楽しむことで、自然に水難知識が身につくことを目指しています。このアプローチにより、単なる知識ではなく、実際の行動にまでつなげることが期待されています。
調査結果と課題
昨年、岡崎竜城スイミングクラブが実施した全国の小学生対象の調査結果では、子どもたちの多くが「ウイテマテ」の知識を持っているものの、実際に行動に移すことができないという課題が浮き彫りになりました。具体的には、正しい行動を知っている子どもは半数以下で、その実践経験があるのはわずか1割に過ぎないという悲惨な現状が明らかになっています。
このような背景から、知識教育だけでは不足であり、親子で一緒に身体に覚えさせる必要があると考えられています。歌と踊りを通じて、子どもたちの身体にアプローチすることが、新たな解決策として期待されています。
MVの内容
「ウイテマテ」のミュージックビデオには、以下の4つの核心要素が組み込まれています。
1. 浮いて待つ
2. 無理に泳がない
3. 着衣状態での浮く姿勢
4. 救助を待つ
これらの知識を楽しみながら覚えられるよう工夫されており、子どもたちが踊りながら笑顔で学べる環境が整備されています。特に「水は楽しいものである」とのメッセージを強調し、恐怖を与えずに安全な付き合い方を教えることを目指しています。
クラウドファンディングの実施
「ウイテマテ」プロジェクトは、現在READYFORでクラウドファンディングを実施中で、目標金額300万円のうち、約110万円が集まっています。実施期間は2026年の5月25日から6月30日までです。この活動が実現することで、多くの親子が水の安全について学び、楽しく体得できる未来を一緒に築きたいとの思いから進行中です。
代表のメッセージ
一般社団法人パワーストロークの代表理事、大森久美氏は「水難事故は一瞬で起こり、その瞬間に正しい行動ができるかが生死を分けます。このプロジェクトが多くの親子に届き、実際に役立つことを願っています」と語っています。親子共同での教育を促進することが、事故を減少させるための第一歩と考えています。
続いて、スイミングクラブが持つ教育ノウハウを活用した各種イベントの紹介や取材についても希望されており、水難教育への事業展開が期待されています。多くの地域での導入を進め、さらなる活動を広げていくことが目指されています。