那須塩原市とクラッソーネが空き家対策で協力する意義と取り組み

2023年、株式会社クラッソーネ（名古屋市）が栃木県那須塩原市と「空き家除却促進に関する連携協定」を締結しました。この協定は、全国的に問題視されている空き家の管理や除却を推進し、安全で安心な地域社会を構築することを目的としています。地元の協力を通じて、どのような取り組みが行われるのでしょうか。

近年の空き家問題の深刻化

全国の空き家数は900万件、空き家率は13.8%に達するなど、空き家問題は深刻化しています。栃木県においても、空き家数は過去最高の16万4,000戸とされており、地域社会への影響は計り知れません。特に、那須塩原市では平成28年に空き家対策の条例を制定し、平成29年には具体的な空き家対策計画を策定しました。しかし、所有者が遠方に住むケースなどから適切な管理が行われず、地域住民の生活環境に悪影響を及ぼすことが懸念されています。

クラッソーネの役割と取り組み

クラッソーネは、解体工事のプラットフォームを運営しており、これまでに2,100社以上の専門業者と15万件以上の実績があります。今回の協定により、クラッソーネは現在進行中の空き家対策事業に関する知識や経験、IT技術を活用することで、那須塩原市内の管理不全な空き家の除却を進めることが期待されています。特に、以下のような具体的な施策が展開される予定です。

1. 解体の概算費用の提示: 「すまいの終活ナビ」を通じて、空き家の解体費用や土地売却査定価格を算出し、市民に提供します。
2. 通報システムの導入: 市民が近隣の問題となる空き家を自治体へ通報できる「お困り空き家の連絡フォーム」を設け、迅速な対応を促進します。
3. 「空き家価値査定シート」の活用: 空き家の管理コストや解体費用をまとめたレポートを発行し、所有者に正確なデータを提供します。
4. 情報提供と相談対応: 空き家所有者に向けた解体の進め方に関する情報を配布し、具体的な支援を行います。