タカミヤとベルグリーンワイズ、農産物鮮度保持の新時代を切り开く
近年、農業界は気候変動や人手不足といった課題に直面しています。その中で、株式会社タカミヤと株式会社ベルグリーンワイズが新たに協力し、農産物の鮮度保持を実現する技術を開発しました。タカミヤは、2025年7月より自社の農業パーク「TAKAMIYA AGRIBUSINESS PARK(TAP)」に、ベルグリーンワイズが提案する「モイスト・クールシステム」を本格導入します。
TAPの誕生と意義
タカミヤは、後継者不足や技術導入の遅れといった農業の課題に取り組むため、「TAP」を埼玉県羽生市に設立しました。「TAP」は単なる栽培の場ではなく、先端技術の開発・実証、人材育成に努める農業プラットフォームとして機能します。ここでは、AIやロボティクスを駆使した実証実験、さらに「トレーニングファーム」としての役割も果たし、未来の農業をリードすることを目指しています。
鮮度保持の重要性
現在、気候変動により異常気象が続く中で、農産物の安定供給が求められています。特に、夏場の高温期には収穫から流通までの過程で野菜の品質が損なわれるリスクが増大し、鮮度の維持はますます難しくなっています。これにより市場ニーズは高まり、タカミヤは鮮度保持と出荷調整が可能な技術「モイスト・クールシステム」に着目しました。
モイスト・クールシステムとは
このシステムは、氷点下近くでも高湿度を保つ独自の設計が特徴で、青果物のための最適な環境を提供します。冷却空気は天井全体から供給され、庫内には0℃±0.5℃の低温で95%±5%の高湿度が維持されます。このようにして、鮮度保持がしっかりと行われ、その結果、収穫時期の柔軟な調整が可能になり、フードロスのリスクも軽減されます。実証実験では、一般冷蔵庫と比較して78日間後のブロッコリーの鮮度が格段に優れていることが証明されています。
企業双方の期待
両社の代表者は、この協業によって農業界の課題解決に大きく寄与することを希望しています。タカミヤの岡本氏は「農業の未来を共創で変革していく」という理念を掲げ、安定供給の実現に向けたシステムの導入に意欲を見せています。一方のベルグリーンワイズの小森氏は、この協業が気候変動に対処するための重要なステップであると強調しています。
展示会での発表
タカミヤとベルグリーンワイズの取り組みは、2025年7月9日から11日に愛知県で開催される「AGTS農業展」に共同出展される予定です。この展示会では、最新の技術やソリューションが紹介されますので、ぜひご来場ください。
まとめ
タカミヤとベルグリーンワイズの協業は、農業界における鮮度保持技術の革新を促進し、持続可能な農業の実現に向けた鍵となるでしょう。両社が手を組むことで、農産物の安定供給と高付加価値化が期待されています。