ふるさと映画「おばあちゃんのかかりつけ医」について
2025年12月26日(金)、綾瀬市を舞台にした短編映画『おばあちゃんのかかりつけ医』が、ふるさと映画祭で公開されます。この映画は、「きくち総合診療クリニック」の菊池大和理事長が脚本に関わっており、医療の重要性を訴える内容が盛り込まれています。
映画の概要
主人公の奏音は、若くして両親を交通事故で失った後、認知症が進む祖母と二人三脚で生活しています。看護師を目指す彼女は、学校へ通うためにアルバイトをし、祖母の看護にも時を割かなければなりません。日々の忙しさに追われる中、ある日、祖母が行方をくらましてしまい、主人公は新たな出会いを通じて彼女たちの未来を模索します。
役者陣には、主人公の奏音を演じる日向端ひなさんや、医師役の鈴木拓さんが名を連ね、彼らがどのように物語を紡ぐのかにも期待が寄せられています。
映画制作の背景
菊池理事長は、クリニックを運営して9年の間にかかりつけ医の重要性を広く伝えたいとの思いを抱いてきました。「これまでは雑誌や本を通じて発信してきたが、もっと多くの世代に届けたい」と考えたそうです。特に現代が抱える高齢化や認知症の問題に対して、医療の本質を映像でしっかりと伝えたいと、映画制作を決意しました。
映画制作の経緯
彼は昨年、より多くの人々に自分の考えを届けるために映画の制作を思いつきました。短編映画であっても、医療現場の現実を忠実に描写し、かかりつけ医が持つべき魅力を伝えるため、日常の診療体験を基にシナリオ作成に関与しました。この映画は、主人公の視点を通して認知症患者が自分のかかりつけ医を見つける過程を描いています。
感じてもらいたいメッセージ
この映画を通じて、特に全世代にかかりつけ医の重要性を思い出してほしいと菊池理事長は語ります。「今大丈夫だと思っている方も、一度自分のかかりつけ医を考え直してみてほしい。高齢者が自身の状況を理解し、頼れる医師が必要なことを知ってもらえれば」と期待を寄せています。また、医療関係者にも見てもらいたいとし、特に今後開業する医師たちには、自分の専門分野だけでなく、多面的に患者に目を向けることが必要だと伝えています。
撮影エピソード
撮影はクリニック内で行われ、日常の診療風景が映し出されています。特に鈴木拓さんとの交流は心に残っていて、彼の演技は医師役としてのリアリティを見事に表現していました。撮影現場での彼とのやりとりは、親しみやすく、また真剣さが感じられたと語ります。
映画がもたらす影響
『おばあちゃんのかかりつけ医』を観た人たちからは、実際にかかりつけ医について考えるきっかけになったという感想が多く寄せられています。特に高齢者が住む地域社会でこの問題が重要視されているため、観ることで医療の実情についても理解が深まるでしょう。
菊池理事長の理念は、かかりつけ医の存在意義を再認識し、医師も患者の心に寄り添う医療が当然であると気づく機会を提供すること。医療従事者、特にこれからの医学生にとって、患者を広く視野で捉えることの重要性を感じ取ってもらうことがこの映画の大切なメッセージです。医療の未来を築くための一助となることを願っています。