大津市が進める自治会DXと「CHIKUWA!」導入の意義
大津市では、地域コミュニティの活性化を目指し、自治会活動のデジタル化「CHIKUWA!」を導入しました。市民部自治協働課の入口優さん、富士見学区自治連合会の岡角泰彦さん、山田竜也さんにお話を伺いました。
自治体としての「CHIKUWA!」導入の意義
大津市では、自治会活動の現状を把握するため、令和5年度に自治会長への課題調査を実施。その結果、自治会への支援として最も多く寄せられた意見が、情報伝達のデジタル化でした。これを受けて、令和6年度に「大津市電子回覧板プラットフォーム構築等業務」のプロポーザルが行われ、「CHIKUWA!」の導入が決定しました。
入口さんは「市に寄せられる期待の声が多く、現在はモデル団体として富士見学区自治連合会とその16自治会の協力を得て運用を進めています」と語ります。今後、全ての学区での早期運用が目指されています。
課題としての情報伝達の問題
自治会の岡角さんと山田さんは、導入以前の課題を次のように語ります。
「回覧板はまだしも、広報誌などを家庭ごとに配布するのは大変な労力がかかります。実際に有効な情報を回すためには、時間がかかります。特に共働き家庭が増え、配布に2週間かかることもありました」と岡角さんは述べました。
山田さんも、「情報伝達のスピードが求められます。災害情報やイベントの実施について迅速に周知しなければなりません」と強調しました。デジタル化はこうした課題を解決する手段として不可欠です。
「CHIKUWA!」導入後の反響
実際に「CHIKUWA!」を使用してみて、岡角さんと山田さんはその利便性を実感しています。
「紙の通知より簡単に情報を発信できるようになりました。特に、テキストを入力しスマホ操作一つで配信できるのが便利です」と山田さん。また、「後で見返せる点も、紙の回覧板にはない強みです」と岡角さんは言います。
一方で、単一の自治会内だけでの導入は限界があるとし、地域全体で効果的に情報を発信できるシステムの必要性を訴えました。
今後の期待と地域活動の活性化
入口さんは「沖縄市が進める地域活動の活性化のためには、自治会活動の効率化が重要。特にデジタル化がこれを実現するツールとして期待されています」と述べ、その意義を強調。
「CHIKUWA!」の活用により、多くの世代が地域活動に参加しやすくなり、今後を担う若い世代が気軽に自治会に参加できる環境作りを進めていきたいとの抱負も伺えました。
「古いイメージを払拭し、誰もが参加しやすい自治会を志向しています」と入口さんが最後に締めくくりました。
これからの大津市の自治会活動に大きな注目と期待が寄せられています。