農業の未来を変えるAI「TENRYO」の全貌
農作物の収穫前における損失、「見えないフードロス」という問題に挑む株式会社ミライ菜園が注目を集めています。特に、農業の現場で多くの収量が病害虫により失われている現実を受け、彼らはAI技術を駆使して予防的な農業の実現を目指しています。
農業の深刻なフードロス問題
世界の農業現場では、主要作物の約4分の1が収穫前に病害虫によって損なわれています。FAOによると、特に日本国内では年間約700万トンの農産物が病害虫の被害を受けているとのこと。これは一般的に知られているフードロスの460万トンを上回る数字にもかかわらず、この問題に対する社会的な認知は非常に低いのが現実です。
気候変動もまた、農業にとっての脅威となっています。異常気象が続く中、従来の防除スケジュールでは対応しきれなくなっています。こうした現状の中で、ミライ菜園のアプローチはますます重要性を増しています。
AIを活用した「TENRYO」アプリ
ミライ菜園が開発したアプリ「TENRYO」は、豊富なデータをもとにAIが病害虫の発生を予測します。このアプリは、過去20年分の気象データや病害虫発生履歴を基に分析し、リアルタイムで危険リスクを通知する仕組みです。これにより農家は、病害虫が発生する前に اقداماتを講じることが可能になります。例えば、実際に暖冬の年においても、アプリが事前にアラートを発報し、農家が適切な行動を取ることで被害を未然に防ぐことに成功しています。
JA豊橋での実績
愛知県のJA豊橋では、TENRYOの導入が進み、農業相談員がこのアプリを通じて防除指導を行っています。この新しい仕組みは、すでに他の地域としても広がりつつあり、特にフェロモントラップによる害虫調査の方式をTENRYOに切り替えたことで、作業効率が劇的に向上しました。この結果、農家とのコミュニケーションにより多くの時間を充てることができるようになりました。
対応品目の拡大
TENRYOは、サービス開始当初の9品目から2024年には23品目に拡大しました。この品目の拡張により、今まで導入をためらっていた農家たちにも利用が可能になり、より多くの農業者がこの予測技術の恩恵を受けることができるようになりました。
ミライ菜園の創業背景
株式会社ミライ菜園の代表、畠山友史氏はもともと大手電機メーカーでエンジニアとして働いていた経歴を持ちます。転機は、自身が育った地域の農業が衰退していく様子を目の当たりにした時でした。農業を持続可能な形で守る手立てはないかと考え、自ら技術を活かすことを決意し、2019年にミライ菜園を設立しました。畠山氏は、実際に農家としての経験を積むことで農業の現場を理解し、その知見を基にAI技術を農業に応用する道を歩みました。
農家の未来とTENRYO
「TENRYO」の名付け親でもある畠山氏は、アプリが「AI指導員」として農家をサポートする存在であることを常に意識しています。彼が描く未来は、農家が病害虫の心配から解放され、安心して美味しい作物を育てることができる世界です。この夢を実現するために、今日もミライ菜園は新たな技術の開発を続けています。
さらに、プロジェクト「April Dream」では、企業が未来にやがて叶えたい夢を発信しています。ミライ菜園もその一環として、農業の未来に向けた確かな一歩を踏み出しています。私たちは、農業とテクノロジーの融合から生まれる新しい可能性を期待しています。しっかりとサポートしている「TENRYO」の活躍に目が離せません。