デジタルと紙のハイブリッド運用で自治体通知業務の力を向上

名古屋市での通知業務DX実証実験

最近、名古屋市において紙とデジタルを組み合わせたハイブリッドな通知業務の実証実験が行われました。これは、xID（クロスアイディ）株式会社とDNPコアライズが共同で取り組んでいるプロジェクトであり、自治体の行政効率を向上させることを目指しています。

1. ハイブリッド通知の背景

名古屋市では、業務の効率化と住民サービスを向上させるために、通知業務のデジタル化に取り組んでいます。従来は紙での通知がメインでしたが、マイナンバーカードを用いたスマートフォン通知を取り入れ、より確実で便利な通知方法を模索しています。この新しい取り組みにより、従来の紙通知だけでなく、デジタル通知も導入されることで、住民満足度の向上が期待されています。

xIDが開発した「SmartPOST（スマートポスト）」は、マイナンバーカードを利用して本人確認を行い、自治体からの重要なお知らせや情報を住民のスマートフォンに届けるデジタル郵便サービスです。このサービスを通じて、紙とデジタル両方の強みを活かし、通知の受け取り方を一新することが目的です。

2. 実証実験の進行

今回の実証実験では、「教育・保育給付認定有効期間終了のお知らせ」を目的とした通知を、紙とデジタルのハイブリッド方式で実施しました。以下の3つのステップから成り立っています。

- STEP1 事前に対象となる住民へ実証実験の案内を送り、デジタル通知を希望するユーザーをリスト化。
- STEP2 通知の実施前後に職員の業務負担を調査し、アンケートを実施して実際の負担感を把握。
- STEP3 受け取ったデータをもとに、通知業務の課題を抽出し、改善策を提案するという流れです。これにより、より効率的な業務環境作りと住民サービスの質向上を目指しています。

3. 実証実験の成果

実証実験の結果、紙とデジタルのハイブリッド運用により、通知業務が実際に成立し、成功裏に実装が確認されました。職員の業務負荷を定量的に評価したところ、業務量全体の約70%を削減できることが明らかになり、年間約1200時間の削減が見込まれています。これにより、今後の施策実行に向けたロードマップが形成され、業務のさらなる効率化と住民の便益向上に結びつくことが期待されています。

4. 今後の展望

名古屋市の自治体は、今後もこの実証実験の成果を土台にすべての自治体や民間事業者とのさらなる連携を図り、通知業務の最適化を進めていきます。これにより、行政サービスの利便性がさらに高まることが期待されています。

5. xIDとSmartPOSTのシステム

xIDのアプリは、マイナンバーカードを使用して本人確認が行えるデジタルIDアプリです。これにより、行政手続きや民間サービスへの柔軟なアクセスが可能になります。また、SmartPOSTを利用することで、住民はいつでも通知を確認・保管できるため、大変便利です。今後もこのようなデジタルソリューションを通じて、住民サービスの向上を目指す取り組みが必要です。

この実証実験は、今後の行政事務のデジタル化の一歩として、他の自治体でも取り入れられる可能性があります。今後の展開に期待が寄せられます。