職業体験フェア2025で地域の高校生が将来への一歩を踏み出す

職業体験フェア2025で高校生が将来への一歩を踏み出す

2025年4月28日、大阪府立藤井寺工科高等学校で行われた職業体験特別授業「おしごとフェア2025」には、約112名の高校3年生が参加しました。このイベントは、高校生が自分の将来の選択肢を広げるための重要な機会であり、製造業、建設業、警備業といった地域のさまざまな企業が参加したことで、多様な職業を体験できる内容となっています。

開催の背景

近年、大阪府立の工業高校では少子化の影響で入学希望者が減少している中、その一方で企業側は、高校生の技術力に注目し、即戦力として採用する動きがあります。全国平均の求人倍率が27.2倍という激しい競争の中、藤井寺工科高等学校では3年生の約80%が就職を目指しています。しかし、文字情報だけで企業を選ぶことが多く、実際の仕事や企業文化を理解せずにミスマッチが生じ、早期離職のリスクも高まっています。こうした課題解決のために、地域の企業と連携して開催されたのがこのイベントです。

若者の未来を支える

このイベントにおいては、実際に企業が提供する職業体験を通じて、学生たちが自分自身の興味や適性を確認できるよう努めています。生徒たちは、さまざまな企業での仕事内容を直接聞けたり、実際に作業を体験できたりすることにより、自己理解や企業理解を深める貴重な時間を持てました。生徒の中には「実際に働いている方の話を聞くことで、自分が考えていた仕事像とのギャップに驚いた」という声も上がりました。

企業の参加と意義

参加した企業も、自己PRの場としてこの機会を積極的に利用しました。五洋商事の森下さんは、樹脂成形の専門商社としての魅力を語り、「私たちの仕事は自分のアイデアを形にすることができ非常にやりがいがある」と伝えました。また、テラモトの宮口さんは、「環境美化に貢献している会社として、実際に製品を見てもらえるきっかけになった」と教えてくれました。このように、企業側にとってもコミュニケーションを通じて学生たちに自社の魅力を伝える絶好の場となっています。

進路選択の重要性

藤井寺工科高等学校の中村主事は、「今回のイベントは、生徒が自分の力で就職活動に取り組む力を育む重要な機会。実際に企業の方と触れ合うことで、彼らの進路選択に対する理解を深める手助けをしたい」と語ります。このように、実体験を通じて企業理解を深めることができれば、学生たちが自分に合った職場を見つけやすくなるでしょう。

今後の展望

「おしごとフェア2025」は今回で3回目の開催ですが、過去2年間にも多くの企業と生徒が出会い、就職につながったケースも見受けられました。今後もこのような取り組みを続けることで、高校生と地域企業の架け橋となり、共に成長する機会を生み出していくことが期待されます。生徒たちがさまざまな体験を通じて自分の可能性を広げ、充実した社会人生活を送れるよう支援していくことが求められています。

これからも、藤井寺工科高等学校は地域の未来を担う若者たちの成長に寄与し続けることでしょう。