秋の行楽シーズンと膝の痛み
秋は行楽シーズン。多くの人々が「スポーツの秋」や「旅行の秋」を楽しむ時期ですが、実はこの季節、膝の痛みに悩む中高年が増加していることをご存知だったでしょうか。調査によると、45歳以上の約3人に1人が膝の痛みを抱えているとの結果が出ています。この問題は、日常生活にも大きな影響を与えることがあります。
調査の背景
登録者数130万人を超えるYouTubeチャンネル、腰痛・肩こり駆け込み寺を運営する理学療法士の山内義弘氏が行った調査では、全国の45歳以上の男女600名を対象に膝の痛みに関する実態を探りました。調査は2025年9月10日に実施され、インターネットを通じて行われました。この調査から見えてきた膝痛の実態を以下で詳しく探ります。
膝痛の実情
調査結果によると、45歳以上の人々の約30%が膝の痛みを感じており、その内訳は「軽い痛みがある」が23%、また「時々強い痛み」が9.8%、「常に強い痛み」がわずか0.7%とのことです。男女の差はほとんど見られず、痛みを感じるシーンとしては「階段の上り下り」「立ち上がり」など、日常的な動作が多くを占めていることが明らかとなっています。
特に男性に多いとされるのが運動時の膝の痛み(30%が経験)、一方で女性は日常生活における痛みを訴える傾向があります。
膝の痛みがもたらす制限
痛みを抱える人々が感じている制限も調査で明らかになりました。膝痛によって「外出や旅行がしづらい」と感じる人は18.9%、運動を制限されていると回答した人は23.4%となっています。しかし、意外にも約6割の人々は「特に制限を感じていない」と回答しており、痛みを抱えながらも日常生活を続けていることが伺えます。
膝痛対策の実態
膝痛を和らげるための対策として多くの人が挙げたのは、「湿布や薬の使用」(34.8%)や「ストレッチ・運動」(34.3%)ですが、約3割は特に何もしていないとの結果も。特にこの割合は女性において36.6%と高く、男性は21.0%とされました。
不安の声
将来的に「歩けなくなるかもしれない」という不安を抱えている人は、膝痛を持つ人の約70%に達しました。一方で、膝痛を経験していない人ではこの不安の割合が約30%と明確な差が出ています。膝痛は単なる身体的な痛みだけでなく、精神的な不安にもつながっているといえるでしょう。
膝痛の根本的な原因
膝の痛みの大部分は「筋肉不足」に起因しています。特に太ももの筋肉が弱くなると、膝の骨が直接負担を受け、痛みや変形に繋がることが分かっています。そこで重要なのは「広筋」と呼ばれる、膝を支える筋肉を意識して鍛えることです。実はこの筋肉をトレーニングすることで、膝への負担が軽減され、脚の健康を取り戻すことが可能です。
自宅でできる膝のセルフチェック
膝の健康を守るために自宅でできるセルフチェック方法を紹介します。まず、膝のお皿のすぐ上にある「広筋」の状態を確認します。
- - チェック1:指で押してみてスカスカしていれば、広筋の衰えが考えられます。
さらに、膝の動きに注目するチェックも重要です。
- - チェック2:膝を軽く曲げて、つま先の真上にあるかを確認します。これがずれていれば筋肉のバランスに問題があるかもしれません。
広筋を鍛える重要性
広筋を鍛えることで得られるメリットは多く、膝の健康だけでなく体型改善にもつながります。特に姿勢が改善されることで、お腹の筋肉やお尻の筋肉がしっかり機能するようになり、見た目の印象も変わります。
このように、膝の健康は日常の活動を制限するだけでなく、生活の質全体に影響を与えます。膝の痛みに悩む方は、ぜひ一度、膝のセルフチェックを実施し、自分の身体の状況を知ることから始めてみてください。日常の健康的な選択が、快適な秋を迎えるための第一歩となるかもしれません。