eWeLLが提案する在宅医療の新たな連携モデルとは？

セミナーの概要と背景

2023年9月14日、大阪府豊中市で「第30回日本在宅ケア学会学術集会」が開催され、株式会社eWeLLが共催したランチョンセミナーに300人以上の地域医療関係者が参加しました。このセミナーは、高齢化と医療の高度化による退院患者の在宅療養支援の重要性をテーマにしています。

急性期病院における退院支援の現状や課題、さらに患者が安心して地域で療養できるようにするための連携モデルについて、実例と具体的なデータをもとに議論されました。特に、病院と訪問看護ステーションの円滑な連携が、切れ目のない医療を提供するためには欠かせないことが強調され、これは多くの参加者にとって意義深いテーマとなりました。

セミナーの内容

セミナーは二部構成となっており、第1部では病院の退院支援に関する講演が行われました。大阪大学医学部附属病院の吉田麻美副看護師長が、急性期から在宅療養へ移行する際の課題を指摘し、特に医療依存度の高い患者の退院支援における苦労や地域との連携選定に関する困難について話しました。

退院支援の課題
彼女は、特定機能病院という立場から、全国から入院してくる多くの患者に対して、退院条件が厳しくなる中、地域社会との連携を深める必要があることを述べました。そのためには、訪問看護ステーションとの連携を強化し、よりスムーズに患者が在宅療養へ移行できるよう努めるべきだと訴えました。

地域の訪問看護からの提案

第2部では、ななーる訪問看護ステーションの勝眞久美子統括管理者が登壇し、地域の訪問看護の立場から連携モデルを提案しました。クリニックや病院からの新規依頼が多く、医療ニーズの高い利用者へのサービス提供を強調しました。

さらに、勝眞氏は情報共有ツールの複雑さに言及し、ICT環境を整えるための地域一体となった取り組みが必要だと強調しました。彼女は、看護によって患者の生命力を引き出すことの重要性を再認識させ、医療機関とのパートナーシップの形成がどれほど重要かを伝えました。

けあログっとと地域医療の展望

セミナーの中で紹介された「けあログっと」は、地域の医療機関を簡単に探せる無料プラットフォームで、参加者からも大きな関心を集めました。このサービスは、ユーザーが条件を設定し、地図で医療機関を可視化することができ、医療・介護サービスの選定をスムーズにします。これにより、退院調整も容易になるとの声が多く上がりました。

未来への取り組み

eWeLLは、地域医療連携を促進し、在宅医療を円滑に行うためのプラットフォーマーとしての役割を果たすことを目指しています。8,300万件を超える過去の医療データを活用し、今後も研究・開発と実践を通じて、在宅医療における課題を解決し続ける予定です。こちらが、今後の在宅医療の質を高め、患者が住み慣れた街で安心して療養できる環境の構築に寄与することが期待されています。

このセミナーを通じて、急性期と慢性期を効果的に結ぶ新しいモデルが提示されたことは、地域医療にとって革新的な一歩となることでしょう。これからもeWeLLとその参加者たちが示す取り組みに、目が離せません。