不動産仲介におけるDXの未来を探る日米比較調査
株式会社Faciloが、日米の不動産仲介に関するデジタルトランスフォーメーション(DX)についての比較調査結果を発表しました。今回のリサーチは、Facilo不動産DX総研によるもので、代表の市川が執筆した論文を基にしています。本記事では、調査結果から明らかになった日米の不動産業界の構造やDXの進捗について詳しく探っていきます。
米国の不動産業界における変化
近年、米国の不動産エージェントの利用率が過去最高に達しています。これはオンラインで物件情報が公開されるようになったことが一因です。「中抜き」や仲介手数料の減少が懸念される中でも、エージェントの存在が重要視されている理由として、専門知識やコミュニケーション能力に基づく価値が挙げられます。具体的には、エージェントが持つ知識やヒアリングを通じた提案が、顧客の満足度向上につながり、ビジネスの成功を支えています。
米国では頻繁に住宅を買い替える文化があり、このためエージェントに対するリピート利用や紹介が多数を占めています。実際、成約の1/3以上が紹介またはリピート経由であり、エージェントにとって顧客の満足度向上はキャリアアップにも寄与します。
日本と米国のDX進化の違い
日本における不動産DXは、ポータルサイトへの物件入稿を効率化するための一括入稿システムに集中しています。一方、米国ではMLS(Multiple Listing Service)と各種ポータルサイトが連携し、物件の掲載が容易なため、契約や接客の分野におけるDXが進展しています。ここでは、顧客経験を重視した業務支援システムが普及していることが特徴です。
日本では効率化が主眼に置かれる中、米国では顧客の体験を向上させることがビジネスの成功に直結するという強い認識が存在します。この違いは、今後の不動産業界において、どのようにデジタル化が進むかの指針となるでしょう。
日本の今後の展望
日本では「中古不動産は価値が下がる」という固定観念の変化が見え始めています。最近のデータによれば、中古住宅の価格は上昇傾向にあり、市場活性化の可能性が広がっています。買い替え需要の増加も期待されており、これに伴い不動産業界におけるテクノロジーの活用が進むと考えられます。
Faciloでは、業界におけるDX推進や顧客体験の向上に向けた取り組みを引き続き進めていく方針です。その結果、日本の不動産業界が顧客体験を重視したビジネスモデルにシフトできれば、米国同様にリピートや紹介がビジネスを支える構図が形成されるでしょう。
まとめ
日米の不動産業界のDXについての比較調査結果からは、国ごとの特性が明確に現れています。しかし、双方の成功事例やアプローチから学ぶべき点が多く、日本の不動産市場が今後どのように進化していくかに注目が集まります。Faciloは今後も、最適な取引環境を提供し、不動産売却の顧客体験向上に寄与するための調査や分析を継続していきます。
詳しい調査結果については、
こちらの資料をご覧ください。