インド人ドライバーの挑戦
2025-07-08 01:25:35

日本の物流革新を支えるインド人ドライバーの特定技能雇用

日本の物流革新を支えるインド人ドライバーの特定技能雇用



2025年6月、印象的なニュースが日本の物流業界に飛び込んできました。インド・バンガロールに本社を構えるNAVIS Human Resource Private Limited(NAVIS HR)が、オディシャ州在住のトラックドライバー2名を、日本の物流企業「マルイ運輸株式会社」に特定技能として正式に採用したのです。この採用は、日本の運送現場で初めてとなる海外在住インド人ドライバーの雇用事例であり、物流業界が抱える人材不足の解決に寄与する重要な一歩とされています。

インド・オディシャ州とは?


オディシャ州は、インド東部に位置する人口約4,100万人を擁する主要産業州です。州都のブバネーシュワルは、スマートシティ構想の中心地として注目され、交通安全政策や教育水準が高いインフラを整備しています。そのため、ドライバー育成においても優れた環境が整っています。特に、リンガラージ寺院をはじめとする歴史的な名所が点在し、文化的にも豊かな地域です。

採用に至る背景と高水準の教育制度


選ばれた2名のドライバーは、オディシャ州政府とAshok Leylandによって共同設立されたHMV教習機関で高度な運転技術と安全教育を修了。NAVIS HRによる日本語や文化研修を受け、現地で特定技能評価試験にも合格しています。日本での滞在経験がないにもかかわらず、彼らは日本語スキルや業務マナー、安全運転意識を十分に習得し、即戦力としての評価を得ました。

このHMV研修センターは、東京ドーム約3.5個分の広さを誇り、大型トラックの運転に必要な技術を徹底的に磨く環境が整っています。特に、安全運行の技術と観察力を育てるための車両点検研修や、運転シミュレーターを用いた実践的な研修が行われています。

交通安全の確保に向けた取り組み


オディシャ州では「Project SuVahak」という取り組みが進行中で、新たに4,488名のドライバーが育成され、その数は21,964名にのぼるリフレッシャー訓練修了者も含まれています。このプロジェクトは、事故ゼロを実現するための交通安全教育と技術支援を提供することを目指しており、NAVIS HRは2024年に州政府との覚書を締結し、日本へのドライバー130名の送り出しを予定しています。

NAVIS HRの厳しい選考と育成プログラム


NAVIS HRでは、“日本で働きたい”という意欲だけではなく、日本社会で信頼される資質を持った人材を育成するため、多角的な選考と研修を行っています。日本語習得の速さや発音、読解力は独自のアセスメントで評価され、人柄や誠実性、文化適応力も面接や観察を通じて確認されます。

日本の社会で必要とされる報告・連絡・相談の基本や、時間に対する意識、礼儀やチームワークへの適応力を高めることが求められます。

インド人ドライバーが日本に適している理由


インド人ドライバーが日本の物流に適している理由はいくつかあります。左側通行・右ハンドルという共通の運転環境、英語力が高いこと、飲酒習慣が少ないこと、そして多様な道路経験が豊富なことなどが挙げられます。これによって彼らは適応力が高く、責任感も強いのです。

さらに、日本企業での雇用にあたり、彼らの持つ誠実性や勤勉さは不可欠な要素とされ、特に「家族を支えるために誠実に働く」という文化がその基盤となっています。

マルイ運輸株式会社の取り組み


採用企業であるマルイ運輸株式会社は、鹿児島県出水市に所在する総合物流企業で、全国規模で事業を展開しています。同社は2021年よりインドの人材に着目し、今回の雇用につながる視察を行い、その取り組みが実を結びました。地域密着型でありながら国際物流にも対応できる姿勢が、今後のさらなる成長を見越させます。

今後の展望


第1期生は16名、今後も複数の企業との商談を進めており、2025年7月から開始される第2期に向けて200名が採用される予定です。全国の物流企業や自治体との連携を通じて、インド人をドライバーとして採用する信頼のモデルを拡大していく計画です。

NAVIS HRは、2002年に設立され、クオリティの高い日本語教育と国際人材育成に特化した先進機関です。今後もインドの人材が日本の社会で重要な役割を果たすことが期待されます。


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