2025年6月16日、カナダのオタワで開かれたOECD DFFTエキスパートワークショップにおいて、名古屋に本社を置く株式会社Acompany(アカンパニー)の執行役員、竹之内隆夫氏が講演を行いました。このワークショップは、カナダのイノベーション・科学・経済開発省とデジタル庁の共催によって実施され、DFFT(Data Free Flow with Trust)の推進及びAIの活用に関する国際的な政策についての議論が展開されました。竹之内氏の講演テーマは、"PETs(Privacy Enhancing Technologies)を通じたDFFTにおける検証可能な信頼の実現"であり、特にTEE(Trusted Execution Environment)を用いた機密コンピューティングの具体例に焦点を当てました。
DFFTは、プライバシーやセキュリティ、知的財産権の観点から信頼を確保しつつ、ビジネスや社会課題を解決するために国境を意識なくデータの自由な流通を促進する概念です。竹之内氏は講演の中で、信頼が暗黙の信頼と明示的な信頼に分かれ、特にPETsが後者を支える可能性を高めることを説明しました。具体的には、TEEを使用した機密コンピューティングの事例を取り上げ、その実用性を示しました。国際的な議論の場における専門家としての竹之内氏の知識や経験は、DFFTの進展に向けた貴重な資源となっています。
今回のワークショップは、OECD DFFTを実現するための新たなステップとして位置付けられており、実際にこのテーマは日本の元首相、安倍晋三氏から提唱されたものです。2023年5月に行われたG7広島サミットでは、DFFTを具体化するための常設の国際メカニズムが新設されることで合意されました。この背景には、データ流通に関する国際的な問題解決を目指す強い意志が感じられます。
竹之内氏は、OECD DFFTにおけるPETsの議論に積極的に参加し、今後の活動でもその貢献を続けていく予定です。機密コンピューティングにおける彼の知見は、国内外でのデータセキュリティの確立に向けた重要な指標となることでしょう。また、機密コンピューティング(Confidential Computing)自体は、データを暗号化しながら計算を行う技術であり、この分野の先進的な開発が重要視されています。国内では政府によるクラウドサービスにおいても必須技術とされ、海外でも多くの企業や軍が利用を進めていることから、その重要性はますます高まっています。
Acompanyは社員数の拡大とともに、この分野でのリーダーシップを強化し続ける予定です。今後も注目される機密コンピューティングの取り組みと竹之内氏の活動に期待が寄せられます。Acompanyの公式ウェブサイト(https://acompany.tech/)では、最新情報やコンタクトが可能です。