愛知県豊橋市が新たな保育士支援プロジェクトを始動
愛知県の豊橋市では、全国的な保育士不足という社会問題に対処するため、民間企業との協力のもと、新しい取り組みを開始しました。このプロジェクトは、「保育士が安心して働ける街」を目指し、3つの柱を中心にした包括的な支援策を展開しています。具体的には、新たな保育士の就業促進、既存の保育士の離職防止、そして潜在保育士の復職支援に焦点を当てています。
新たなチャレンジへの道のり
この取り組みは、2023年7月15日からスタートし、特に愛知県内では初めての試みです。このプログラムでは、官民協創を通じた社会課題解決に向けて、「逆プロポ」の仕組みを導入しました。パートナーには、保育士の復帰や就労支援事業を手掛ける「エンパワー・サポート株式会社」が参加しています。彼らと共に、保育士の確保に向けたアンケート調査を実施し、潜在保育士の復職に向けた新しい働き方の可能性を検討していきます。
現職と潜在保育士への同時アンケート実施
初回の取り組みとして、豊橋市では保育士資格を持つ方々を対象にアンケートを実施します。この調査では現職保育士の働き方や、潜在保育士が保育職を離れた理由、また復職を希望する条件などを尋ねる予定です。このアンケート結果をもとに、現職保育士の負担を軽減し、潜在保育士が職場復帰しやすくなるための新しい支援方法を模索します。
周知方法と参加方法
現職の保育士への周知は、市内の保育所や認定こども園、幼稚園に協力を依頼し、二次元コード付きのチラシを配布して行います。潜在保育士への案内は、広報誌「広報とよはし」やホームページに加え、公共施設や市内の店舗にポスターやチラシを掲示する方法を取ります。アンケート期間は、2023年7月中旬から9月末までです。
復職を支援するための実証実験
次に、潜在保育士が復職しやすくなるような雇用条件の実証実験が計画されています。潜在保育士が復職をためらう理由の一つには、「フルタイム勤務が難しい」という事情があります。このため、エンパワー・サポート株式会社が提供するマッチングサービス『ちょこっとほいく』を活用し、短時間や短期間で働きたい人と保育園を結びつける試みが行われます。参加者は復職に向けたワークショップにも参加し、不安の解消を図る予定です。
実施時期と期待される成果
この実証実験は、2023年9月から12月末にかけて実施される見込みです。潜在保育士がどのように行動し、復職に至るかを検証する中で、更なる具体的な支援策の策定が期待されています。豊橋市が掲げる「保育士が安心して働ける街」の実現に向け、新たな動きがどのように展開されるのか、今後の動向に注目です。
愛知県豊橋市が進めるこのプロジェクトは、保育士不足の解消に向けた新たなモデルケースとなることでしょう。地域全体で支え合い、子どもたちが笑顔で過ごせる未来を作るための大きな一歩です。