地域課題解決に向けた新たな一歩
国立大学法人岡山大学では、地域の人口減少問題に積極的に取り組むため、学術研究院環境生命自然科学学域の大仲克俊准教授が率いるプロジェクトが、公益財団法人トヨタ財団の特定課題に採択されました。このプログラムは、「人口減少と日本社会」というテーマで、2025年4月に東京で行われた助成金贈呈式で大仲准教授により正式に発表されました。
プロジェクトの概要
本プロジェクトの名称は「地域若手実践者・学術研究者の共創による人口減少地域を支える新たな事業体モデル構築」です。この取り組みは、特に人口減少が顕著な中山間地域に焦点を当て、地域の若手実践者と学術研究者が協力して新たなビジネスモデルを開発することを目的としています。
プロジェクトでは、生活支援やインフラの維持、資源管理において行政や企業が担えない部分を補う「マルチワーカー」を育成し、地域特性に応じた柔軟な組織作りを進めていきます。また、久米南町での実践を踏まえ、他地域にも展開可能なモデルを構築することを目指しています。
助成金贈呈式の様子
助成金贈呈式には、大仲准教授の他に、岡山県久米郡久米南町で共に取り組むNPO法人らんたんの廣瀬祐治代表も出席しました。式典では、同財団の小平信因会長から大仲准教授に贈呈書が渡され、喜びにあふれた場面が印象的でした。
大仲准教授は、受領後に次のようにコメントしました。「中山間地域は日本全体が直面する課題についての実験場です。この地で地域の皆さんと新しい仕組みを作ることには非常に大きな意義があります。学術の知識と実践の力を融合させ、持続可能な未来を築くためのモデルを構築していきたいと思っています。」
プロジェクトの展望
この取り組みは、本学の「中山間地域活性化プロジェクト」内で統括されています。プロジェクトリーダーとして林靖彦教授が指揮を取り、内閣府が推進する「地域中核大学イノベーション創出環境強化事業」の一環でもあります。岡山大学は今後も、地域と連携しながら実践的な研究を進め、中山間地域の問題解決や持続可能な社会の形成に貢献することを目指します。地域中核・特色ある研究大学としての岡山大学のさらなる取り組みを、ぜひ楽しみにしてください。
助成金を背景にしたこの新たなプロジェクトが、岡山県の地域社会にどのような変化をもたらすのか、今後の進展に注目が集まります。岡山大学の研究者たちによる地域密着型の活動は、持続可能な社会の実現に向けた重要な一歩となります。