2025年度新入社員の心境調査
2025年4月に入社予定の新入社員に対する意識調査が行われ、その結果が発表されました。調査を実施したのは、組織開発と人材育成を支援するALL DIFFERENT株式会社とラーニングイノベーション総合研究所です。この調査では、新入社員たちがどのような心境で入社を迎えているのかが明らかになりました。
社会人になることへの心境
この調査で特に目を引くのは、76.9%の新入社員が「不安・心配」の気持ちが強いと答えた点です。社会人としての一歩を踏み出すにあたり、何に不安を感じているのかを掘り下げてみます。
不安の理由としては、「自分の能力で仕事についていけるか」という心配が71.8%を占め、さらに「しっかりと成果を出せるか」という声も52.0%と半数以上。先輩や同期、上司との関係に関する不安も多く見受けられました。これは新入社員が新しい環境に慣れることが難しいと感じている表れでしょう。
新入社員の「頑張ろう!」という気持ち
調査の結果によると、99.3%の新入社員が「この会社で頑張ろう!」という意欲を持っており、特に76.6%は「とてもある」と回答しています。このポジティブな結果からも、彼らが新たな環境に前向きであることがわかります。
期待の内容
入社にあたっての期待の中で最も多く挙がったのは「色々なことを学び成長できる」というもので、なんと70.0%の新入社員がこの回答を選びました。次いで「給料がもらえる」と58.2%、「社会の役に立てる」が42.1%の結果が確認されました。これらの結果から、新入社員は経済的な面だけでなく、自己成長や社会貢献にも強い意欲を持っていることが読み取れます。
成長意欲を伸ばすためのポイント
新入社員が抱える不安要素として「能力」と「成果」が挙げられる中、成長に対する期待の強さも見逃せません。このような不安と期待が交錯する状況において、企業側はどのように新入社員を支援することができるのでしょうか。
業務の入り口では、新入社員には初歩的なレベルから業務をアサインすることが大切です。具体的な説明とサポートを行い、複雑な仕事を依頼する際には細かく噛み砕いて伝えることが求められます。また、与えられた業務の役割や目標を明確にし、自分がどのように貢献すべきかを理解させることが重要です。
業務が終了した後のフィードバックも同様に重要です。成果物と過程の両方に対してフィードバックを行うことで、新入社員は次の業務への糧を得ることができます。特に「GOOD/MORE/NEXT」と呼ばれる評価基準を使用して、新入社員の気づきを引き出すことが成功のカギとなります。
まとめ
新入社員が不安を抱えつつも「この会社で頑張ろう」とする意欲を持っていることが調査から浮き彫りになりました。彼らが成長していける環境を整えるためには、先輩や上司の適切なサポートが不可欠です。業務の入り口と出口においてしっかりしたケアを行い、新入社員が安心して成長できる環境づくりが求められています。