オイスカ浜松国際高校での新たな挑戦
2025年9月29日、静岡県浜松市に位置するオイスカ浜松国際高等学校が、「世界とつながる学びプロジェクト」を始動しました。このプロジェクトは特定非営利活動法人なかよし学園プロジェクトによって運営され、経済産業省の支援を受けているため、多くの学校で展開されています。この日は全校講演が行われ、全学年の生徒たちが参加しました。
生徒たちの創造力が形に
特に3年生は、以前行われたリモート講演を契機に、自作の「SDGsカルタ」を完成させ、その成果を全校で披露しました。このカルタは今後、カンボジアやシリアの海外授業で使用予定で、生徒たちの思いが国境を越えて広がることが期待されています。
一方で、1・2年生は、自ら摘み取った「オイスカ茶」がどのように海外で「日本を知る」教材として使われるのかを学びました。この経験を通じて、自分たちの活動が国際的なつながりを生み出すことを実感し、国際的な協力に対する意識が高まりました。
生徒たちの思いと夢
講演を受けた後、3年生のある生徒は感想を述べました。「私はバイオリンを演奏しています。私にもできるかと尋ねたら、中村先生が『君にもできる。一緒に世界を平和にしよう』と言ってくれました。いつか自分の演奏を世界に届けたいです。」このように、プロジェクトを通じて多くの生徒が夢を広げています。
“里帰り”の意義
講演後には、なかよし学園の代表である中村雄一さんが、ケニアやシリアの受け手からの手紙や折り鶴を校長の岡本知之さんに手渡しました。この“往還の学び”は、届けられた学びが感謝のメッセージとして戻ってくることを意味します。オイスカ浜松国際高校は、留学生が多く在籍しており、国際交流が常に行われています。また、「比較文化」や海外研修などの授業が、世界と出会うための仕組みを整えています。
プロジェクトの意義
このプロジェクトは、「支援する側へ」という考え方の転換を通じて、教室での実践を具体化するものです。生徒が制作した教材や収穫したお茶が国境を越えて届けられ、交流や学びを生む行動につながります。こうして、学びが社会へと接続されるのです。
今後の展開
今後3年生が作成したSDGsカルタは、海外の授業でも使用され、現地の言語版や共創学習へ発展することが計画されています。また、「お茶×文化」の教材キットを共同開発し、日本理解を深める機会を提供します。生徒たちは自分の特技を生かし、オンラインや現地プログラムに参加し、さらに多くの支援の側に立つ機会を得られます。
このように、オイスカ浜松国際高校の「世界とつながる学びプロジェクト」は、地域と世界を結ぶ重要な架け橋になりつつあります。岡本校長は、「生徒の考えた教材が海外での活動に使われることは画期的であり、これからの展開が楽しみです」と期待を寄せています。今後の活動にも目が離せません。