三澤文子が語る住宅改修の真髄
民家の改修や木造住宅の設計において、第一人者として知られる三澤文子氏が、待望の新刊「過去との対話をデザインする——三澤文子の住宅改修の仕事」を刊行します。現在、木造住宅の設計で圧倒的な信頼を寄せられ、その技術と知識を惜しみなく伝えてきた三澤氏の思想や実践が、ついに系統立てられた形で一冊にまとめられました!
新刊の内容とは?
この書籍は、三澤氏がこれまでに7000時間以上を費やしたという住宅改修のプロセスや、代表的な実例を詳細に解説しています。著者は、過去との対話を通じて記憶を未来に繋げることが、住宅の改修において非常に重要であると考えています。自ら学び、試行錯誤の中で獲得した知識を元に、住宅改修に関わるすべての人々のためのガイドとなることを目指しています。
住宅改修の考え方
本書では、住宅改修の理念から具体的な実践事例までをカバーし、住宅医としての役割や、住環境の質を高めるための実践的なアプローチを紹介しています。三澤氏は、以下の六つの要諦を掲げています:
1. 住宅の寿命を延ばすこと
2. リーズナブルな予算での改修
3. 耐震補強の実施
4. 温熱環境の改善
5. 家事負担を軽減するプラン作成
6. 記憶に残る住まいの実現
これらの要素をバランスよく組み合わせることで、より良い住環境を提供する試みがなされています。
具体的な実践例
本書では、具体的な改修事例が多数収録されており、各々の住宅がどのように生まれ変わったのかが語られています。例えば、「甲賀のいえ」では、地域の住民が集う空間を重視し、住まいの核心となる集いの場を再構築しました。他にも、岐阜の「ふくまちや」では、古家の再生を通じて、工芸家の思いを形にしています。
これらの実例は、単なる改修の枠を超え、ほかの住宅にも通用する知恵と工夫が盛り込まれています。三澤氏は、既存の住宅に新たな価値を見出し、次世代に繋げていく責任を重んじています。
三澤文子のプロフィール
三澤文子氏は1968年生まれ、静岡県出身の建築家であり、(有)エムズ建築設計事務所の代表取締役を務めています。過去の経験を活かした高度な設計技術と、住民のニーズを反映した住宅の実現でも知られています。著作も多数あり、建築業界において高い評価を受けています。
新刊は、持続可能で快適な住まいを求めるすべての人にとって、貴重な資源となるでしょう。是非手に取って、これからの住まい方や改修を考えるヒントを見つけてみてください。