暗号資産取引のセキュリティに対する不安とその対策
合同会社WOZが行った調査によれば、暗号資産を取引している方の約8割がセキュリティに不安を抱えていることが分かりました。特に気になるのは、ハッキングや不正アクセスといったリスクです。実際に、約3割のユーザーがセキュリティの問題による被害を経験していることが明らかになっています。
暗号資産に関する一般的な不安
調査結果によると、暗号資産を保有している人のうち、76.4%が『とても不安を感じた』または『やや不安を感じた』と回答しました。これには、価格変動の激しさが主な要因として挙げられており、58.7%の人がこの点を懸念しています。さらに、ハッキングや不正アクセスのリスクを挙げた回答者は55.8%でした。また、法律や規制が不透明であることからも不安を感じている人が多いようです。
セキュリティへの懸念を深掘りする
セキュリティに対して不安を感じている人の中で、最も多く挙がった理由は『ハッキングや不正アクセス』であり、79.4%の人がこの危険を認識しています。さらに、『パスワードや秘密鍵の流出』や『フィッシング詐欺』といった具体的な不安要素も多く見受けられました。これにより、多くの暗号資産取引者がセキュリティ対策を必要としていることが理解できるでしょう。
被害の実例
実際に被害を受けた人の中には、ログイン不正や資産が減少した経験を持つ方がいます。特に、ある60代男性は自宅のウォレットがハッキングされ、リスクの重大性を痛感したという報告がありました。他にも、多くのユーザーが不正ログインや資産流出の被害に遭っており、これらの実体験はセキュリティ対策の必要性を一層強調しています。
現状のセキュリティ対策
調査によると、約6割の人が何らかのセキュリティ対策を講じていることが分かりました。最も多く選ばれたのは『二段階認証の利用』で、59.8%の人が実施していると回答しています。このほか、『強固なパスワード設定』や『ウイルス対策ソフトの導入』といった基本的な対策も行われていますが、対策を行っていないという人は約4割存在し、十分とは言えない状態です。
信頼できる取引所の選択
利用者の中で、今の取引所やウォレットの安全性に満足しているという人は約8割いますが、一方で信頼できないと感じている方も一定数います。これは、セキュリティ対策が不足していると感じている人が多いことからも明らかです。これに対抗するためには、さらに高度なセキュリティ機能が求められています。
利用者からのニーズ
利用者が特に求めるセキュリティ機能を尋ねたところ、『二段階認証』や『生体認証』など、より強固な認証手段が盛り込まれたシステムへの要望が高いことが分かりました。また、出金時の本人確認や追加認証を必要とする意向も多く見られ、取引所側に対する期待が高まっています。
まとめ
今回の調査から、暗号資産の取引は多くのリスクを伴うものであることが再確認されました。セキュリティ面に不安を感じている人が多数いる一方で、基本的な対策は取られているものの、実行していない人も多く存在します。今後は、個々のリテラシーを向上させることに加え、利便性を維持しながら、より良いセキュリティ機能が求められていくことでしょう。