ごみの流れを探る
2025-12-12 15:51:28

伊勢湾流域の清掃活動を通じてごみの実態を明らかにする取り組み

伊勢湾流域におけるごみの実態調査プロジェクト



近年、海洋ごみの問題が大きな注目を集めています。河川から海に流入するごみがどのように発生し、どのように漂着するのか、その実態を解明する取り組みが愛知県を中心に進められています。このプロジェクトは、「海と日本プロジェクトin愛知県」と八千代エンジニヤリング株式会社の連携により実施され、伊勢湾流域圏における清掃活動と連動しています。

ごみ調査の目的と背景


この研究は、河川から海へのごみの流れに焦点を当て、特に庄内川水系を中心に、岐阜県の土岐川、名古屋市、市街化率の高いエリア、愛知県における河口域、そして三重県の答志島といった各地域の特徴を活かしたごみ調査を行っています。調査の実施を通じて、ただ単にごみを拾うだけにとどまらず、具体的なごみの種類や量を分析し、その実態を把握することが目的です。

本活動は、日本財団が進める「海と日本プロジェクト・CHANGE FOR THE BLUE」の一部として行われます。地域の清掃活動に参加することで、環境保全への意識を高め、持続的な取り組みにつなげることが目指されています。

調査方法と実施内容


調査は、全4地点にて行われ、各調査地には2m四方の調査区画が設けられました。収集されたごみは、環境省のガイドラインに基づき、プラスチック、ゴム、ガラスなど12の大分類に分類され、その個数が集計されました。

調査地点の特徴


1. 久屋大通公園(名古屋市)
名古屋市中心部に存在する久屋大通公園では、調査区画内でプラスチックごみが38個収集され、周辺には多くの飲食関連のごみが存在していました。特に、プラスチックの食品包装容器やたばこの吸い殻が多く見られ、環境美化の意識の重要性が示されています。

2. 奈佐の浜(答志島)
伊勢湾の入り口に位置する奈佐の浜は、流れ込む河川からのごみが集まりやすい地域であり、調査ではプラスチック類が111個と、目立った量が収集されました。ここでも、破片としてのごみが見られることから、海洋ごみ問題の深刻さを強調しています。

3. 藤前干潟(名古屋市)
名古屋市港区に広がる藤前干潟では、河口域におけるごみの滞留が多く確認され、特にペットボトルが多数収集されました。ここはごみが流れつく場所であるため、清掃の重要性が強調されています。

4. 土岐川
岐阜県に位置する土岐川では、ごみの数が非常に少なく、環境が比較的良好であることが示されました。これは河川の清掃活動の成果と言えるでしょう。

清掃活動の連携イベント


今後、清掃活動はさまざまなイベントと連携して行われる予定です。例えば、10月4日には名古屋の久屋大通公園で「Hisaya Plogging Weekend 2nd」が行われ、地域住民が参加しやすい環境を整えることを目指しています。

コラボレーションと地域貢献


さらに、このプロジェクトではサッポロビール株式会社と協力して「愛三岐 海と川環境保全応援缶」を販売し、その収益が環境保全に寄付される仕組みも取り入れています。このような取り組みを通じて地域全体が一つになり、環境保全の重要性を広めていくことが期待されています。

まとめ


今回の調査により、河川から海へ流れるごみの実態が明らかになり、上流から海までの流れの中で形状が変化していく様子が確認されました。この理解が、愛知・三重・岐阜・名古屋地域での効果的なごみ対策への第一歩となるでしょう。地域の特性に応じた施策を講じることが必要不可欠であり、持続的な生態系の保護に向けて、今後も取り組みを進めていくことの重要性が伝わることが期待されます。


画像1

画像2

画像3

画像4

画像5

画像6

画像7

画像8

画像9

画像10

画像11

画像12

画像13

画像14

画像15

画像16

画像17

画像18

画像19

画像20

画像21

関連リンク

サードペディア百科事典: 海と日本プロジェクト 環境保全 河川ごみ

トピックス(その他)

【記事の利用について】

タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。

【リンクついて】

リンクフリーです。