岡山大学が地域支援に向けた新プロジェクトを発表
国立大学法人岡山大学(岡山市北区、学長:那須保友)の大仲克俊准教授が代表を務めるプロジェクト「地域若手実践者・学術研究者の共創による人口減少地域を支える新たな事業体モデル構築」が、公益財団法人トヨタ財団の2024年度「人口減少と日本社会」プログラムに採択されました。このプログラムには全国から38件の応募があり、採択されたのはわずか4件。採択率10.5%という非常に狭き門を突破した成果です。
このプロジェクトは、中山間地域活性化プロジェクトの一環として進められ、内閣府の地域中核大学イノベーション創出環境強化事業にも位置付けられています。岡山県久米郡久米南町をフィールドに、地域住民の生活を支えるための新しい事業体モデルを構築することを目指します。
目指すべき新たなモデル
人口減少に直面している日本の地域社会において、地域住民の生活基盤の維持と再構築は喫緊の課題です。本プロジェクトでは、資源管理やインフラ維持、生活支援など多様な地域ニーズに応じた調査を行い、その調査結果を基に新しい組織の提案・設立を進めていきます。特に行政や企業ではなかなか対応が難しい分野において、「マルチワーカー」と呼ばれる多能工を育成し、地域特性に合った柔軟な組織形態を開発することに注力します。
大仲准教授は、「地域の方々との対話を重ねながら、学術と実践者との協力により持続可能な地域作りに寄与し、新たなモデルを構築したい」とコメントしています。この意思を基に、プロジェクトを進める中で得た知見を活かし、他の地域でも応用できるモデルの確立を目指します。
協働による地域活性化
本プロジェクトは単に新たな事業体モデルの構築にとどまらず、地域の雇用機会の創出や地域の活性化も目指しています。地域住民、企業、行政などの多様な関係者との協働を通じて、地域社会に新たな価値を提供していく予定です。さらに、得られた知見は全国の自治体に情報発信し、政策提言にも役立てる計画です。
審査員からは、「地域に根ざした若手実践者と学術研究者との協働は、実践と理論の往還が期待される」という評価が寄せられ、モデル性や波及効果の高さが認められました。岡山大学は、今後も地域共創による研究の実践を通じ、持続可能な社会の実現に貢献していく姿勢を示しています。
期待される展望
このようなプロジェクトを展開することで、岡山大学は地方創生に向けたリーダーシップを発揮することが期待されています。学生や地域住民、研究者が共に集い、知識を共有しながら新たな挑戦に取り組むコミュニティを形成するこのプロジェクトは、教育機関としての役割を果たしつつ、地域社会に日々貢献する存在として注目されるでしょう。今後の取り組みにも期待が寄せられています。地域中核大学としての岡山大学の更なる発展にご注目ください。