名古屋市の困難ケース対応に関する実態調査
名古屋市では、地域包括支援センターにおける「困難ケース対応」に関する実態調査が行われています。株式会社想ひ人が名古屋市社会福祉協議会から受託し、29の支援センターを対象に調査を実施しました。この取り組みの背景や目的、調査結果を踏まえた研修の内容について詳しく見ていきましょう。
調査の背景
地域包括支援センターは高齢者にとっての相談窓口であり、近年では多様な課題を抱える家庭が増加しています。特に、親の介護を行っている子どもが抱える健康や経済的な問題、家庭の孤立といった「困難ケース」に直面する支援者が多いのが現状です。こうした複合的な問題に対する対応は難易度が高く、特に経験の浅い職員が多いことも課題となっています。調査によれば、全国で地域包括支援センター職員の約半数が経験3年未満という実態が確認されています。
調査の概要
今回の調査は「名古屋市いきいき支援センター 困難ケース対応の標準化に向けた業務改善調査」として、以下の手順で実施されます。
実施主体
この調査は株式会社想ひ人が名古屋市社会福祉協議会と連携しながら行います。名古屋市のいきいき支援センターの資質向上を目指しており、調査結果は今後の研修や業務改善に活かされます。
対象
調査は、名古屋市内の全29のいきいき支援センターを対象としています。
方法
1.
アンケート調査
2026年5月から6月にかけて、一般職員およびセンター長を対象にアンケートを実施。
2.
現地調査
2026年7月には4つのセンターに対して現地訪問を行い、具体的な状況を把握します。
報告会と研修
調査結果は2026年9月に全センター職員向けに報告し、研修を実施する予定です。この研修は、調査データを元に支援の実務に役立つ内容となります。
調査の目的
調査の大きな目的は、困難ケース対応が「どこで、なぜ滞っているのか」を明確にすることです。調査で特定した課題は、以下の3つのアプローチで解決策を提言します。
1.
自治体のルールや手続きで解決できる課題
2.
職員の技能やノウハウで解決できる課題
3.
業務の仕組みやツールで解決できる課題
具体的には、研修を通じて職員のスキル向上を図り、現場の課題を解決する手助けを行います。また、調査結果を基に業務改善や新しいツールの導入へとつなげることを目指します。
研修内容
9月の研修では、社会福祉士の林正海氏による講義が計画されており、支援困難事例に詰まった時の考え方について学びます。経験年数の異なる職員間での意見交換も予定されており、現場ならではの声を集める機会となります。
代表からのメッセージ
株式会社想ひ人の金子萌代表は、支援者が孤立して判断を強いられている現状を指摘し、調査によって可視化し、効果的な支援の形を模索する重要性を強調しています。「何が起きているのか」を示すことが、現場と行政の連携につながることを願っています。
会社概要
株式会社想ひ人は、介護や病気に関する困りごとの解決を目指し、自治体と協働でさまざまな支援事業を展開しています。名古屋市を含む複数の自治体との連携を強化し、地域社会の支援を担っていく方針です。
この調査及び研修は、地域の困難ケース対応の質を向上させるために欠かせない取り組みです。今後の進捗が期待されています。