名古屋大学とスタジオメッシュが高齢者向けログインシステムの共同研究を開始

名古屋大学とスタジオメッシュの共同研究の開始

最近、名古屋大学大学院情報学研究科の浦田研究室と株式会社スタジオメッシュが、「高齢者にも優しいログインシステム」の共同研究を始めることを発表しました。このプロジェクトは、高齢者がデジタルサービスを利用する際の障壁を取り除くことを目指しており、特に本人確認プロセスに注力しています。

共同研究の背景

デジタル化が進む現代において、多くのサービスがオンラインで提供されるようになりました。ですが、これにおける最大の問題は、アカウントの新規登録やログインが必須であり、これによりデジタルに不慣れな高齢者たちが大きな壁に直面していることです。パスワードやパスキーなどの方法が存在するものの、高齢者の方々には難解であり、結果としてログインを諦めるケースが増えています。

この状況はサービス提供者にとっても深刻な課題であり、高齢者がデジタルサービスから離れたり、途中で諦めたりする要因となっているのです。また、サポート業務の負担も増加しており、どのようにしてこの問題を解決するかが求められています。

研究の目的と内容

今回の研究で目指すのは「デジタルに習熟していない利用者のログイン完了率」を向上させることです。スタジオメッシュは本人確認に関する技術を有しており、浦田研究室は高齢者のデジタルサポートの知見を持っています。両者が連携することで、より効果的な解決策を模索していくことになります。

具体的には、本人確認プロセス、UI/UXデザイン、認証方式、サポート手法など、広範囲な研究を行い、高齢者が自力でログインできるシステムを確立することを目指しています。これにより、デジタルサービスの利用促進とサポート工数の軽減が期待されます。

この共同研究について名古屋大学の浦田真由准教授は、「デジタルサービスを多くの方が使えるようにすることは、社会的に重要です。特に高齢者にとってログインは大きな壁です。このプロジェクトを通じて、実効性のある解決策を見つけ出していく考えです」と述べています。

一方、スタジオメッシュの代表取締役清田雄平氏は、「利用者やそれをサポートする方々から多くの声を聞いてきました。この声をもとに、実社会で役立つ解決策を見出すために尽力します」と意気込みを語ります。

研究室と会社概要

名古屋大学浦田研究室は社会情報学や観光情報学を中心とし、地域社会の課題解決に向けた研究を進めています。特にICTやAIを活用した高齢者のデジタル活用の促進に力を入れており、実際のデータ分析やデジタルツールの応用を通じて地域活性化を目指しています。

スタジオメッシュは、デジタルIDの専門企業であり、「誰もが安全に簡単にログインできる世界」の実現に向けた事業を展開しています。愛知県名古屋市に本社があり、最新のID関連技術の社会実装を推進しています。詳細は公式Webサイト(smesh.jp)にて確認が可能です。