初売り離れ進行！多様化する購買行動と体験価値

初売り離れが進む中での新たな購買行動

愛知県名古屋市に本社を置く株式会社システムリサーチが実施した「初売りの購買行動」に関する意識調査が注目を集めています。この調査結果によれば、なんと73％の女性が初売りや福袋を「購入しない」と回答し、年始の恒例行事としての初売りの需要が大幅に減少している実態が浮き彫りになりました。初売りはかつては「目的買い」の場としての役割を果たしていましたが、その役割が以前と比べて大きく変わりつつあることが見受けられます。

初売りの目的が変化

調査結果によると、まだ初売りを予定する人々の多くは、年始ならではの「空気感」や「ワクワク感」を体験したいと考えています。つまり、初売りは単なる商品購入を目的としたものから、特別な体験を楽しむためのイベントへと変化しているのです。この現象は、リアル店舗ならではの「体験価値」が購買意欲に繋がっていることを示しています。
かつてのように買い物をするためだけに人々が集まるのではなく、初売りを通じて味わえる雰囲気やリアルな店内の賑わいを楽しむことが重要視されるようになっています。

減少する初売りの需要

節約意識の高まりや年末年始の過ごし方の多様化などが影響し、初売り離れが進んでいます。特に59％が「利用しない」と考えていることから、初売りの消費者における存在感は薄れつつあると言えます。しかし、一方で「購入派」の人々は実際に店舗に足を運ぶことで体験価値を感じたいと願っており、商品の中身ではなくその環境に重きを置いていることが明らかになっています。

EC購入派の傾向

また、ECでの購入を選ぶ人々も少数存在しますが、彼らは「時短」や「効率」を最重視しています。商品の選び方としては「中身公開型の福袋」を好む傾向が強いようです。ECは手軽さや利便性を追求する層に支持されているものの、あくまでリアル店舗の持つ体験価値を求める層が大多数を占めているのがポイントです。

今後の展望

初売り商戦を迎えるにあたり、販売側は「リアルでどのように体験価値を提供できるか」と「ECにおいてどのように体験要素を演出するか」が重要な課題となるでしょう。今後、初売りは単なる買い物場ではなく、消費者が楽しむための特別な時間を提供する場として進化していくことが予想されます。この傾向は、消費者のニーズに応じた新たな商戦の可能性を示唆しています。