誰にも知られず400トンのCO2削減!
愛知県に位置する側島製罐株式会社は、創業118年の老舗缶メーカーとして新たな挑戦に乗り出しました。それは日本製鉄が提供するCO2削減鋼材「NSCarbolex® Neutral」を使用した製品で、環境への配慮から生まれたグリーンスチールを全面的に採用したことです。
グリーンスチールの背景と初期の苦難
2023年、お客様へのアプローチとしてグリーンスチールを使った缶製品の営業活動が始まりました。しかし、初期の反応は厳しく、見た目や機能が従来の缶に変わらないため、関心を持ってもらえないという現実が待ち受けていました。これに対し、側島製罐はエコという側面だけでは不足だと気づき、「自分たちの方から環境に配慮した製品の魅力を広めていこう」と決意しました。
自社商品の全面採用で魅力を発信
思い切った決断として、側島製罐は自社の看板商品『Canday缶』(キャンディ缶)にグリーンスチールを全面採用しました。このカラフルなスチール缶容器は、全23色6形状で展開され、人々に楽しさを提供するだけでなく、エコへの関心も引き寄せることを目指しました。具体的には、2023年10月からの取り組みにより、今までに約300トンのCO2を削減する実績を上げ、全国のデパートや洋菓子店でも積極的に利用されています。
代表取締役の思い
代表取締役である石川貴也氏は、缶製品の魅力を自ら育むための覚悟が必要だと語ります。「エコとは言えど、相手にその価値を感じてもらえなければ、ただの押し売りになってしまう。それでも私たちが行動を起こさなければ、魅力は自然には高まらない」と、強い意志を持っています。評価がまだ不十分な低CO2の缶容器に対して、少しでも多くの people に知ってもらうことで、缶が環境や未来を考えるきっかけになることを願っています。
NSCarbolex® Neutralとは?
グリーンスチール「NSCarbolex® Neutral」は、日本製鉄による低CO2鋼材であり、マスバランス方式を用いて温室効果ガス排出量を削減した製品です。側島製罐は、この鋼材を使うことで、原材料の調達から製造、使用に至るまでのバリューチェーンにおけるCO2排出削減を目指しています。これにより、従来の90%を超えるリサイクル率という素晴らしい数字に加え、エコとしての価値も持つキャンディ缶が誕生しました。
まとめ
側島製罐は、環境に配慮した製品作りに取り組む姿勢を示し、これからも多くの人々にその魅力を伝え続けることで、持続可能な未来へ向かっていくことでしょう。その絶え間ない挑戦と努力が、他の企業や顧客にも良い影響をもたらし、地球環境を守る一助となることを期待しています。