新感覚ラブストーリーの誕生
2025年2月7日、注目の新人作家マーニーによる『物理学者の心』が祥伝社から発売されます。無名の作家が紡ぐ物語に、多くの書店員から絶賛の声が寄せられ、話題となっているこの作品。物理学者の苦悩と不器用な恋愛を描いた本書は、ジャンルを超えた新たなラブストーリーとして期待が寄せられています。
マーニーは、アメリカ・ミネソタ州出身で、三浦しをん氏や万城目学氏を世に送り出してきた著作権エージェント・ボイルドエッグズに所属しています。2018年にボイルドエッグズにメールを送り、彼女の物語に光るものを見出した当時の代表、村上達朗の尽力によって、2021年には『ばいばい、バッグレディ』でデビューを果たしました。今回は3作目となる新作で、ペンネームを「マーニー・ジョレンビー」から「マーニー」に改め、意欲的な作品を世に送り出しました。
本作の舞台はジュネーブ、兵庫、福井といった多様な地域。著者が実際に訪れ、物理学者への取材を重ねて丁寧に仕上げた一冊です。物語の冒頭、ピアニストの鈴木尚美が「3メートル下がって!」と叫ぶ物理学者の松崎仁に出会うところから始まります。松崎は自分の頭にある強力な磁場が人類に危険をもたらすため、死ぬしかないと語ります。この奇抜な設定に、尚美は驚きつつも松崎の寿命を延ばす手助けをしようと奮闘します。彼女の唯一のファンである松崎を失いたくないと願う尚美は、松崎の独自のルールに振り回されながら、少しずつ彼の心の奥深くに迫っていくのです。
書店員たちは、この作品に対して大きな期待を寄せています。「今までの恋愛小説とは違う、心からの愛を感じ取れる」と語るのは名古屋栄店の西田さん。また、未来屋書店の中村さんは、物理的な距離が恋愛に与える影響を考察しつつ、「これぞ現代社会における純愛」と称賛しています。解析された愛の形がどのように展開されるのか、多くの読者が楽しみにしていることでしょう。
著者のマーニーは、父が収集した物理や宇宙に関する書籍が並ぶ本棚を見つめる度に、物理学への憧れを抱いていたと語ります。物理学者の方々の協力を得て遂に完成した本作は、彼女自身の成長と共に描かれています。ユーモアとウィットに富み、時に切ないこのラブストーリーは、恋愛の新しい側面を照らし出します。
マーニーが紡ぎ出す言葉には、社会との関わりや距離感が色濃く表れています。その中でも、心の深い部分に触れる瞬間は、読者の心を掴んで離さないことでしょう。多くの都市を舞台に織り成す物語を通じて、恋愛とは何かを再考させられます。「3メートル内に近づけない」という設定が、果たしてどのような結末を迎えるのか、期待が高まります。
最後に、『物理学者の心』は日本語で書かれた小説であり、翻訳書ではありません。マーニーが生み出したこの新たなラブストーリーは、読者に深い感動と新しい視点を提供してくれることでしょう。ぜひ手に取って、彼女が描く世界をご体験ください。