インフラエンジニア304人調査から見るキャリア形成と働き方の実態
ITエンジニアの派遣・SES事業を手掛ける株式会社ラクスパートナーズが実施した調査が注目を集めています。この調査は、20~50代のインフラエンジニア304人を対象に行われ、彼らのキャリア形成や働き方、年収、資格取得の実態を深掘りしています。調査の結果、インフラエンジニアの業務内容や就業形態、転職に関するデータが明らかになりました。
業務内容と就業形態
まず、インフラエンジニアの業務内容を見てみると、「セキュリティ」「構築・設計・運用」が主な業務として挙げられました。特に、セキュリティ関連のシステム防御や監査の重要性が高まっており、回答者の25%がこの業務に従事しています。また、構築メンバーや上流工程の要件定義に関わる人材も多く見受けられ、専門性の高い職域であることがわかります。
次に、就業形態についてですが、自社開発での勤務が42.4%、受託開発が36.2%、派遣/SESが15.8%という結果が出ています。これにより、インフラエンジニアが中長期的なプロジェクトに深く関与する傾向が強いことが示されています。さらに、働くスタイルも多様化しており、フルリモートもしくはハイブリッド勤務が主流となりつつあることが確認されました。
転職と勤続年数の実態
転職については、特に1〜2回が主流であり、2回以上の転職経験を持つ人も多い一方で、転職経験が無い人も一定割合いるようです。これは、インフラエンジニアによる長期的なキャリア形成のスタイルが影響していると考えられます。職場での勤続年数は、1年以上3年未満が最も多く、「3〜5年未満」の層が特に目立ちました。これは、技術の深化を図りながらキャリアを築く上での安定感を表しているといえます。
年収の実態
次に、年収について見ていきましょう。年収のボリュームゾーンは「500〜700万円」であり、年収の増加要因として最も多かったのが「資格取得」でした。調査では、AWS認定プロフェッショナルや情報処理安全確保支援士など、主要な資格がキャリア形成において重要な役割を果たしていることがうかがえます。また、マネジメント経験や最新技術への挑戦も昇進に寄与しています。
労働実態
月間の平均残業時間は「10〜20時間未満」が最多で、休日出勤や夜勤は限定的に行われている様子が見受けられました。全体として、インフラエンジニアの勤務環境は一定の安定性を持ちながらも、柔軟な働き方が可能な状況であることが示されています。
今後の展望
インフラエンジニアには、クラウドやセキュリティ、ネットワーク技術における専門性が求められており、さまざまな資格の取得がキャリア戦略において重要な要素として位置づけられています。今回の調査結果から、『基本情報技術者』に始まり、高度な専門性を備えた資格の取得が求められる現代の状況が浮かび上がりました。
このように、インフラエンジニアは多様なキャリア形成を行っており、働き方や業務内容、年収の関係を理解することで、今後のITインフラの進化に対応する力を蓄えることが重要といえるでしょう。以上のデータは、今後のキャリア選択や戦略を考える上での一つの指針となります。調査結果は株式会社ラクスパートナーズの公式サイトからも閲覧できますので、ぜひチェックしてみてください。