ネットショッピングでのレビューが購買に与える影響と消費者心理
ネットショッピングの普及が進む中、どうやって私たちが購入する商品を選んでいるのか、またどのように他者の意見が影響しているのかを深掘りする調査が行われました。この調査は株式会社ラクスによって実施され、20代から60代のECモールやECサイトで月に二回以上買い物をする一般消費者を対象としています。
調査の概要
この調査の目的は「ネットショッピングにおける購買心理と顧客対応が与える影響」を明らかにすることです。具体的には、約9割の消費者が評価レビューを購買判断の参考にしていることがわかりました。特に、商品のレビューや口コミがもたらす効果は無視できないものがあります。
レビューの影響力
調査によると、商品のレビューや口コミを購入判断に活かしているという回答が全体の約9割に達しています。このデータから、ネットショッピングの際、他者の意見は重要な情報源となっていることが浮き彫りになりました。特に注目すべきは、否定的なレビューがもたらす影響です。質問に対する回答では、『購入を控える』としたのが48%、『多少気になるが購入する』としたのが49%という結果が出ています。実に約半数の消費者が否定的なレビューによって購買をためらうという事実が明らかです。
レビューを投稿する動機
また、レビューや口コミを投稿する経験があると回答したのは約7割。この数字はレビューを書くことで消費者が自分の意見を表明することへとハードルが下がったことを示しています。具体的には、満足したことが理由で口コミを投稿した人が55%、不満を持った際に投稿したという回答が44%を占めています。消費者は満足や不満に基づいてレビューを投じる傾向があり、とりわけ不満が強い場合にはその感情が顕著に表れることが分かりました。
不満の背景
特に不満を感じた理由として、『使いにくさ』や『商品の質感』が上位に挙げられています。さらに、問い合わせ対応の悪さも不満の原因となっていることが明らかになりました。トラブル時の対応に遅れがあったり、説明不足だったりすると、消費者はその経験をもとに否定的なレビューを投稿する傾向があります。例えば、ある30代の女性の感想では「問い合わせしても返信が遅く、すぐに解決しなかったことが不満だった」とあります。
重要視される顧客対応
調査では、ネットショッピングにおいて問い合わせ対応の迅速さや丁寧さを重視する消費者が約9割に達していることも示されています。この回答から、消費者はただ商品そのものだけでなく、顧客サービスの質にも高い関心を寄せていることが明らかになりました。特に、非対面での取引が主流となるネットショッピングにおいては、このような接客品質が購入意欲に直結しているのです。
まとめ
今回の調査結果から、ネットショッピングにおいてレビューの重要性と、顧客対応が購入行動に与える影響が浮き彫りになりました。消費者は購入を決定する際にレビューを重視し、否定的な評価があればその商品への興味を失うことが多い事実を忘れてはなりません。また、企業にとっても、良好な顧客対応が消費者の信頼を得る鍵であり、販売者としての評価を左右する要因であると言えるでしょう。これからは、ただ商品を提供するだけでなく、消費者が安心して購入できるような対応品質を求められる時代へと進んでいるのです。