「TREND ROAD Designer」の進化がもたらす新たな可能性
福井コンピュータ株式会社が5月20日(火)にリリースするBIM/CIM道路設計3DCADシステム「TREND ROAD Designer」のアップデート版は、建設業界におけるデジタルトランスフォーメーションをさらに推進します。このシステムは、米国のベントレー・システムズ社が開発した業界標準のCAD「OpenRoads Designer」を基盤とし、日本の法律や基準に則って独自に改良された日本語版です。2023年7月から日本国内向けに販売されており、すでに多くの建設プロジェクトでの導入が進んでいます。
新機能の追加
新しく追加される機能は、特に測量CADシステム「TREND-ONE」や「Mercury-ONE」と連携することで、国内仕様の成果物作成を支援するものです。これにより、3D道路モデルを効率的に2D図面に展開できるようになるため、発注機関が求める詳細な仕様への対応が可能になります。これまで、2D図面と3Dモデルの融合が課題とされてきましたが、今回のアップデートにより、その課題が大幅に解消されることが期待されます。
テンプレートの拡充
また、標準断面や土木セル、排水集水桝、道路標識といった各種テンプレートの数も増加します。具体的には、標準断面が現行の6種類から33種類に、土木セルは3種類から9種類に、排水集水桝は約100種類から約250種類に、道路標識も約50種類から約100種類にまで拡充されます。こうしたテンプレートの充実は、実際の設計作業を効率化し、迅速なデザインが可能となるでしょう。
既存機能のブラッシュアップ
アップデート版では既存機能の改善も行われます。具体的な新機能としては、LandXMLの読込みに対応し、必要な線形の作成が行えるようになりました。また、等高線データから指定間隔で3D等高線を生成する機能も新たに追加され、法面記号や道路標識の配置がさらに便利になります。これにより、ユーザーはより簡単に、直感的に設計作業を進められることが期待されます。
将来への展望
現在、国土交通省が推進するBIM/CIM技術の活用は、多くの建設プロジェクトで求められており、3Dデザインの重要性はますます高まっています。「TREND ROAD Designer」のアップデートにより、国内の建設業界の進化が促進され、より高品質な道路設計が実現されることでしょう。これからの発展に注目が集まります。
価格と登録
このアップデートには、初回登録料が20,000円(税別)、年間使用料が360,000円(税別)となっています。新機能に期待を持ちながら、業界の発展と共に活用していくべきツールとなるでしょう。
道路設計の未来を切り開く「TREND ROAD Designer」の進化は、BIM/CIMを通じてよりスマートな設計業務を実現します。これにより、建設業界の技術者たちが、より豊かな成果を生み出せるようになることでしょう。