能登半島地震復興支援活動：心のケアと美容の力がもたらす希望

能登半島地震復興支援活動の現場

2025年11月29日と30日、東京都渋谷区に本社を置く株式会社ミライプロジェクトが運営する「介護美容研究所」の卒業生13名が能登半島の輪島市で行った通算7回目の支援活動が行われました。これは能登半島地震の被災地で、地域住民に対する心のケアを中心にした各種美容施術を提供するボランティア活動です。この取り組みは、単なる美容行為ではなく、住民の心の健康を取り戻す貴重な役割を果たしています。

現地の現状：解体と再建の難しさ

輪島市では、古い倒壊家屋の解体がようやく進んでおり、街の景観が少しずつ変わりつつあります。しかし、自宅の再建はまだまだ進んでいないのが現実です。多くの住民が仮設住宅に住む中、彼らの生活は極めて不自由で、毎日のストレスが蓄積する環境が続いています。狭い浴槽や洗面所の使いづらさ、一部屋しかない生活など、日常生活の不便さは心に大きな影響を与えています。

施術の実施：心をほぐすケア

この活動では、整体や鍼灸の技術を持つチームと協力し、輪島市内の4カ所で施術を展開しました。美容チームによるネイル、メイク、フェイシャル、フット/ハンドトリートメントは、住民たちの心と表情を明るくするサポートを行いました。特に、仮設住宅の環境で感じている困難を和らげる“人に寄り添う時間”が、住民の心のリラックスに寄与している様子が見受けられました。

心の声：嬉しさと不安が交錯する瞬間

施術を受けた住民たちからは、「この時間が嬉しかった」「地震があったけど、あなたたちに出会えてよかった」といった感謝の声が寄せられる一方で、不安な気持ちを吐露する方も多くいました。「家をどうするかまだ決められない」「これからの暮らしが不安」という言葉には、彼らの心の重圧が感じられ、心のケアの必要性を再確認させられます。施術中には涙を流す方も見られ、心の負担を軽くするための機会が求められていることが明らかになりました。

復興には心のケアが必要

地震の復興が進む中で、道路や建物などのインフラの整備が進んでいくことは必須ですが、真の復興には「心」と「生活」の再建も欠かせません。仮設住宅の混乱した環境の中で、誰かに寄り添い、気持ちを話す時間こそが住民にとっての支えとなっています。介護美容は、美容行為を超えた心の健康を取り戻す重要な役割を果たしているのです。

今後の取り組み

ミライプロジェクトの「介護美容研究所」は、輪島市での支援活動を今後も継続して行います。地域住民が安心して生活を再建できるよう、自治体や支援団体との連携を強化し、美容による心のケアの重要性を広めていきます。また、被災地以外にも、社会的孤立防止に向けた活動を展開し、高齢者の心の健康を守る取り組みも進めています。