TOWINGがCOP30で発表した気候変動への取り組み
名古屋のスタートアップ、株式会社TOWINGが、ブラジル・ベレンで開催されている国連気候変動枠組条約第30回締約国会議(COP30)において重要な声明を行いました。TOWINGは、「農林水産分野 温室効果ガス(GHG)排出削減技術海外展開パッケージ」、通称「ミドリ・インフィニティ」に賛同する32社の民間企業の一員として、農林水産省のジャパン・パビリオン内セミナーで共同の声明を発表しました。
声明の趣旨と課題解決へ向けた協力
この声明は、複雑化する気候変動問題の解決に向けて、世界中のステークホルダーが連携することの重要性を訴える内容となっています。特に、アグリ・フードシステムのイノベーションに取り組む必要性が強調され、今後の持続可能な農業に向けた道筋が示されました。TOWINGは、自社が開発した高機能バイオ炭「宙炭(そらたん)」を通じて、土壌改善と温室効果ガスの削減を同時に実現することに取り組んでいます。
宙炭(そらたん)の役割
TOWINGの「宙炭(そらたん)」は、独自の前処理技術と微生物培養技術を組み合わせた革新的な農業資材です。このバイオ炭は、土壌の健康を向上させつつ、化学肥料の使用を減少させ、有機農業の実現を促すものです。さらに、この製品は作物の品質や収量を向上させることで、生産者の経営効率にも貢献します。また、地域の未利用バイオマスをアップサイクルし、土壌に炭素を固定させることで、温室効果ガスの削減にも寄与しています。
ミドリ・インフィニティとその背景
農林水産省が策定した「ミドリ・インフィニティ」プログラムは、国内でのGHG排出削減技術を海外に展開することを目的としています。これにより、エネルギー分野に偏っている脱炭素投資を農林業及び食品分野にも広げることが期待されています。また、日本発の技術が国際的に展開されることで、国内産業の育成にも寄与するとされています。
TOWINGは、このプログラムにおいても中心的な役割を果たし、持続可能な農業の実現を目指します。
会社紹介と今後の展望
株式会社TOWINGは、2020年2月に設立され、名古屋大学発のグリーン&アグリテックスタートアップとして活動しています。そのミッションは、『サステナブルな次世代農業を起点とする超循環社会を実現する』ことであり、未利用バイオマスを活用した農業資材の開発に力を注いでいます。また、月面農業の実現に向けた研究でも注目されています。
今後、TOWINGは大規模な農業のサステナビリティ向上を目指し、国内外での取り組みをさらに拡大していく予定です。人々の生活や地域の環境に優しい次世代の農業技術が、地球規模の食と環境に関する問題にどのように応えていくか、今後の動向に注目が集まります。