国内初!生分解性資材を使用した防獣ネット施設の設置
愛知県北設楽郡設楽町で、2025年9月に行われた「どんぐり山大作戦植樹イベント」にて、株式会社豊栄工業が国内初となる生分解性防獣ネット施設を設置しました。このプロジェクトでは、ネット、アンカー、ロープ、結束バンドといった全ての構成材に生分解性プラスチック原料を使用しています。
林業の現状と課題
日本の林業は、高齢化や担い手不足という課題に直面しています。特に急峻な山間部での作業は危険を伴い、運搬や撤去作業が重い負担となっていました。また、いくつもの資材を担ぎながら斜面を登り、獣害が消えた後に再び資材を回収する一連の作業は、持続可能な森林保全活動の障害にもなっています。
近年、この作業負担を軽減するためにドローン技術の導入が進められてきました。具体的には、苗木や防獣資材の運搬をドローンに任せ、作業時間を大幅に短縮する取り組みが各地で展開されています。しかし、現状では撤去作業には依然として人の手が必要であり、資材の劣化や地形の変化により撤去作業は非常に困難に思える場合もあります。
生分解性防獣ネットの利点
こうした現状に対抗すべく、豊栄工業は全ての資材を生分解性プラスチックで製作した防獣ネットを提案しました。高さ2メートル、長さ約100メートルの囲い型構造として設置され、全国で初めての実証評価が行われました。この生分解性防獣ネットは土中で自然に分解され、環境に優しい特性を持っています。これにより、設置から撤去までの作業負担が大幅に軽減され、山林作業者の労働環境が改善されることが期待されています。
参加企業と地域連携
このプロジェクトを推進するにあたり、豊栄工業は愛知県東三河を中心として地元企業と連携しました。プロジェクトに参画した企業には、株式会社市駒製網、トヨネン株式会社、ニチモウ株式会社、株式会社ネオマテリアが含まれています。これらの企業との協力を通じて、やっと実現したこの施設が、今後の森林保全活動の新たなスタンダードとなることを目指しています。
地域の未来への貢献
今回の取り組みは、単なる技術導入にとどまらず、現場の実情に即した持続可能な解決策であることが特徴です。生分解性資材を使うことで、厳しい条件下でも森林保全が無理なく実施できる可能性を秘めています。公式発表によると、今後この取り組みは全国に広がることが期待されています。
本プロジェクトに関するお問い合わせは、株式会社豊栄工業の広報担当村井(むらい)までご連絡ください。