西尾市立一色中学校の松井凛生さんが受賞!
2025年12月7日(日)、名古屋法務局および愛知県人権擁護委員連合会が主催する「第44回全国中学生人権作文コンテスト愛知県大会」の表彰式が盛大に開催されました。このコンテストにおいて、地元のシーホース三河が選出した『シーホース三河賞』。見事にこの栄冠を手にしたのは、西尾市立一色中学校の2年生、松井凛生さんです。
彼の作文タイトルは「理解して寄り添って」。今回はこの感動的な作品から、彼の思いを掘り下げてみたいと思います。
弟との絆
松井さんは作文の中で、自身の8歳の弟について触れています。弟は特別支援学級に通っており、自閉症と診断されています。特性としては、強いこだわりやパニック、対人関係における困難が挙げられ、特に海の生物への愛情が強いことが描かれています。松井さんは幼い頃、名古屋港水族館で初めてシャチを見た弟の反応を鮮明に記憶しており、その瞬間が弟の特性の根幹を成すものであることを理解しています。
日常の苦悩と成長
弟のこだわりは時に家族にとって大きな課題となることもあります。特にゲームコーナーで自分の好きな海の生物が手に入らなかった際のパニックは、周囲の目を気にする松井さんにとってもストレス要因でした。しかし、両親が弟を支え、松井さん自身も成長を通じて弟を理解しようと努力する姿勢が見受けられました。自閉症の特性を知ることで、どう寄り添うかを考えるようになったと語ります。
理解とサポート
松井さんは、弟が新しい経験を苦手に感じることを踏まえ、事前に説明を丁寧に行うことや、こだわりに対して迷惑をかけないようにするためのコミュニケーションの重要性を強調しています。「障害者だから分からないという先入観ではなく、丁寧に接することで理解できる」との思いを作文に綴っており、弟の特性を受け入れることで、より良い関係が築けることを伝えようとしています。
家族の成長と絆
松井さんは、弟の成長を見守る中で家族の絆が深まっていると感じています。弟が少しずつ社会に適用し、人の気持ちを考えることができるようになってきたのは、両親や家族が丁寧にサポートしてきたからだと語ります。自閉症は治るものではないため、理解することが何よりも大切だと明言し、周囲への理解も促しています。
まとめ
松井凛生さんの作文は、障害に対する偏見をなくすための重要なメッセージを伝えています。自分自身の苦悩や成長だけでなく、弟を理解し、寄り添うことで家族全体の成長につながることが大切であると訴えています。この受賞を通じて、彼の声が多くの人に届き、理解が広がることを願っています。