小学生が紡いだ感謝の手紙、心に響く作品たち
ファミリーマートが主催する「ありがとうの手紙コンテスト2025」の受賞作が発表されました。このコンテストは、小学生を対象に感謝の気持ちを表現し、創造性を育むことを目的としています。17回目となる今年は、全国229校から3,580通の手紙が寄せられました。特に、米価格の高騰や昨年の大阪・関西万博の影響を受けて、「食のありがたみ」や「感動と感謝」というテーマが多くの作品に表現されています。
審査員長にはジャーナリストの池上彰氏が名を連ね、厳正な審査の結果、審査員が選定した56作品が受賞しました。受賞者には、文部科学大臣賞や最優秀作品賞、SDGs賞などが贈られ、それにおいても各学校・団体も賞を受けました。
文部科学大臣賞に輝いた作品
今年の文部科学大臣賞は、伊豆の国市立韮山南小学校の2年生、金井菜穂さんの「ミミズさんへ」が選ばれました。この特別な手紙は、単にミミズへの感謝から始まり、家族にその価値を理解してもらう挑戦へと発展しています。金井さんは、「家族にミミズの素晴らしさを伝えるため手紙を書く」という新しい視点を持ち、地球環境問題についても考えるきっかけを作りました。このテーマは、単なる命への感謝を超えて、私たちの責任を問う深いメッセージとなっています。
今年のテーマにふさわしく、手紙にはミミズがどのように土を豊かにするか、また栄養素の循環に貢献するかが描かれています。また、金井さんはミミズも他の生き物と同じように大切であり、私たちが環境に配慮しなければ、彼らが生きづらい世界になることにも触れています。
『ありがとうの手紙』コンテストの魅力
このコンテストが持つ意義は、単純な感謝の気持ちを表現するだけではありません。子供たちが手紙を書くことで、感謝の背景にある様々な出来事や他者への思いやりに気づくことができます。また、親や教師、地域の人々がそのプロセスを支え、愛情を注ぐことで、コミュニティ全体で子供たちを育てる姿がうかがえます。
審査員の池上彰氏は、コンテストが17年続く中で、子どもたちの感謝の言葉が年々成長していることに嬉しさを感じています。時事問題に対する敏感さや周囲への感謝の気持ちが豊かに表現されているとのことです。
表彰式と今後の行動
受賞者には表彰状と副賞が授与され、2026年1月から順次表彰式が行われる予定です。また来年も同様のコンテストが開催され、さらなる感謝の手紙が集まることでしょう。これからも子供たちの素朴な思いが、多くの人々に勇気や希望を与えることを期待しています。
この「ありがとうの手紙コンテスト」は、地域社会と子供たちをつなぐ大切な架け橋として、今後も続いていくことでしょう。