介護業界の未来を切り開く！定着支援で663人の離職を防ぐ試みとは

2025年問題に向けた取り組み

日本では2025年以降、団塊の世代が75歳以上に達することで、医療や介護、障害福祉の需要が増加することが予想されています。この「2025年問題」は、社会保障費の負担が大きくなるだけでなく、医療と介護、障害福祉サービスの人手不足も深刻な問題となります。そのため、介護職への新しい人材の参入を促すこと、そして既存の職員が長く働き続けられる環境を作ることが急務となっています。

エス・エム・エスの取り組み

株式会社エス・エム・エスは、介護職向けの人材紹介サービス「カイゴジョブエージェント」を運営し、介護職の人材育成を目指す「カイゴジョブアカデミー」を提供しています。この2つのサービスを通じて、介護職の入職前後の定着支援やキャリア形成をサポートしており、特に未経験者が多く参入している中で、入職前後のサポートは非常に重要となります。

エス・エム・エスは、従事者と事業者双方に対して、入職前後のフォローを徹底的に行っています。具体的には、介護経験10年以上のサポーターによるメンタリングや情報提供、そしてキャリアパートナーが不安を解消するためのアプローチを行っています。このサポートにより、従事者が持つ職業に対するギャップを埋め、その後の短期間での離職を防ぐ効果があります。

定着支援の実績

実際の成果として、エス・エム・エスが提供する介護職紹介サービスを経由した従事者の離職率は、導入以来約16%減少し、年間663人の離職を防いでいます。従事者の不安を解消するためのサポート体制は、今後も強化される見込みです。このような環境整備は、介護職の保持と質の向上を図る上でも欠かせない要素でしょう。

サポートを受けている介護士の声

介護士の柏崎桃子さんは、「未経験の人が実際に何がわからないのかを明確にし、少しずつ成長していけるようにサポートすることが大切です。私たちは一緒に悩み、喜びを分かち合うことができる存在でありたい」と話しています。このように、職場環境の改善と定着支援の取り組みは、介護士の心の成長にも寄与しています。

今後の展望

介護人材不足の問題は一朝一夕には解決できるものではありませんが、エス・エム・エスの取り組みが示すように、他業界からの人材の参入を促進し、また既存の従事者が安心して働ける環境を整備していくことが、業界全体の質の向上と持続的な成長にとって必須です。これからの介護業界を支える人材を育成するために、引き続き積極的に取り組んでいく姿勢が求められています。