住友理工、貿易管理クラウド「Shippio Cargo」を導入
愛知県名古屋市に本社を構える住友理工株式会社は、最新の貿易管理クラウドサービス「Shippio Cargo」を導入しました。この取り組みによって、同社は業務の効率化およびグローバルな在庫の適正化を実現し、複雑化するサプライチェーンの課題を解決に向けて進展しています。
サプライチェーンの課題と導入の背景
住友理工は、自動車用防振ゴムで世界トップクラスのシェアを誇り、20カ国以上で展開されています。しかし、貿易業務管理がさまざまなツールに分散しているため、業務の属人化が深刻な課題となっていました。このため、在庫管理の重要な指標を算出する際に、人の経験に頼らざるを得ず、昨今の不安定な物流状況においては在庫の最適化が困難な状況でした。
こうした状況を打破すべく、住友理工はShippioの貿易管理クラウドを採用し、デジタル化を推進することに決めました。これにより、業務の標準化と効率化を進め、リアルタイムでの情報管理が可能となります。
業務効率化の取り組み
ツールの統一
住友理工では、貿易案件の進捗状況や関連書類、関係者とのコミュニケーションをすべてクラウド上で管理できるようになります。これにより、検索性が向上し、過去の書類確認や進捗確認の工数が大幅に減少。業務プロセスの標準化が進むことで、生産性も向上することが期待されています。
データドリブンな意思決定
「Shippioインサイト」は、輸送データを分析し、リアルタイムでリードタイムを算出するツールであり、これを活用することでリードタイム設定の精緻化と在庫最適化が進みます。過去の実績データを利用することで、在庫の過剰を回避し、コスト削減を実現します。さらに、船社の選定においても、遅延実績などのデータを活用することで、最適な輸送サービスの選定が可能になります。
マネジメントの強化
洋上在庫の可視化も大きな成果の一つです。従来は現地法人への問い合わせが多大な工数を必要としていましたが、今後はリアルタイムで在庫状況を把握することで、効率的なマネジメントが実現できます。これにより、欠品リスクを回避しながら在庫の圧縮も可能となるでしょう。
Shippioの提供するサービス
貿易管理クラウド「Shippio Cargo」は、貿易実務の視覚化と効率化を実現するために設計されています。具体的には、貨物船の自動トラッキング、貿易書類のAI-OCRによるデータ化、関係者とのチャットコミュニケーションが一元化され、業務が大幅に効率化されます。
また、Shippioインサイトによって、輸送データの可視化や分析が可能となり、サプライチェーンの強靭化を図ることが出来ます。データに基づいた意思決定が行えるため、グローバルなビジネス環境の中で、住友理工の競争力を一層高めることが期待されています。
まとめ
住友理工が推進するこの貿易DXの取り組みは、単なる業務効率化に留まらず、企業全体の戦略的な変革を促進するものといえるでしょう。グローバルな市場での競争が激化する中で、デジタル化を進めることが、今後のビジネスの成長にどれだけ寄与するのかが注目されます。これからの住友理工の動向に要注目です。