2026年の労働基準法改正に関する調査結果と注目ポイント

2026年に約40年ぶりの大規模な労働基準法改正が予定されています。しかし、その内容について知っている方は少なく、その準備状況も不十分であるという現実が明らかになっています。YouTubeチャンネル『脱・税理士スガワラくん』を運営する税理士、菅原由一氏が実施したアンケート調査によると、主要な改正ポイントに対する認識は低く、多くの働く人々が「知らない」と回答したのです。

調査について

調査は2025年12月12日にインターネットを通じて実施され、20歳から60歳未満の全国の正社員を対象にしました。サンプル数は400名で、性別や年齢に応じて均等に分配されました。調査機関はFreeasyです。

知られていない改正内容

特に驚くべきは、約53.8%の人々が2026年の法改正を「知らない」と答えたことです。この中で、女性は60.5%が無知であった一方、男性は47.0%で少し高い認識を示しました。しかし、内容を理解していると自信を持つ者は全体で約10%に過ぎず、多くの人が必要な情報にアクセスできていない状況です。

副業をしている人は全体の16.0%で、特に男性が18.5%、女性が13.5%と分かれています。近年、副業は一般的になりつつありますが、その実施率は思ったよりも低い現実が浮かび上がりました。

さらに、約40%の人々が勤務時間外に業務連絡を受けた経験があるとのことで、これは男女によって差が見られました。男性は時間外の連絡を受けることが多く、女性は「まったくない」と回答する傾向が強かったのです。これにより、職場環境による働き方の差も浮き彫りになりました。

法改正に対する評価

法改正が自身の働き方に好影響を与えるかどうかについては、約48.3%が「どちらとも言えない」と回答しました。ポジティブに捉える人は全体の3割を超えたものの、逆にマイナスの影響を感じる人たちも多く存在することがわかりました。

労働基準法改正の主なポイント

菅原氏によると、今回の改正には多くの重要な変更が予定されています。法改正は以下のような具体的な項目に焦点を当てています。

1. 有給休暇の賃金計算の見直し
現行法では3種類の計算方法があり、特に勤続が少ない労働者に不公平が生じていました。改正では通常賃金への統一が目指されています。

2. 法定休日の明確化
休日出勤の割増賃金の支払いが適切にされるよう、法定休日と法定外休日を明確に定義する義務が設けられます。

3. 副業の労働時間の規定
本業と副業の労働時間を分けて考える時代が来ることが期待されています。これにより、副業がより実現しやすくなります。

4. 勤務間インターバル制度の導入
仕事とプライベートのバランスを整えるため、終業から翌日の始業までの間に最低11時間を空けることが求められます。

5. 管理職の労働時間の適正化
残業代が支払われない管理職に対する勤怠管理が義務付けられ、労働環境の改善が目指されます。

6. つながらない権利の新設
勤務時間外に応答義務がないことを明言するスタンスが期待されています。

まとめ

このように、2026年の労働基準法改正は有給や副業、勤務時間管理の見直しなど、従業員の日常の働き方に直結する重要な変更が多く含まれています。企業と従業員が共に正しい情報を理解し、適切に運用していくことが求められる時代の到来です。私たち一人一人がこの法改正に向けて、どう行動し、準備するかが重要となるでしょう。