障がいのある中高生に新たな扉を開くインターンシップの取り組み
名古屋市南区に本社を置く特定非営利活動法人障がい者みらい創造センターでは、知的障がいや発達障がいを持つ中高生向けにインターンシップを実施しています。この取り組みは、全国的に見ても珍しいもので、「仕事を知る第一歩」として位置づけられています。
インターンシップの特徴
近年、放課後等デイサービスに通う中高生たちは、地元企業での職場体験を通じて貴重な経験を得ています。従来のインターンシップは就職を希望する生徒が顕著に多い中、障がい者みらい創造センターのプログラムは、職を求めていない生徒も参加できる点が大きな特長です。生徒たちが実際の職場で「働く力」を体験し、スキルを磨く貴重な機会となっています。
このプログラムは、2018年の開所以来、企業の協力を得て、年間を通じて様々なインターンシップを行ってきました。そもそも放課後等デイサービスが行うインターンシップは一般的ではなく、その取り組みには多くの期待が寄せられています。
みらせんジュニア教室の取り組み
障がい者みらい創造センターが運営する放課後等デイサービス「みらせんジュニア教室」は、名古屋市内に3つあります。ここでは、就労訓練の一環として、地元企業からの内職に取り組んでいます。これは単なる教材を使用する訓練ではなく、実際の商品づくりを通じて子どもたちが社会での「やりがい」を感じることを目指しています。内職の内容はシール貼りや梱包、組立、仕分けなど多岐にわたり、協力をいただいている企業の数は50社を超えます。
このような多様な作業には、企業が障がい者雇用や福祉的就労の重要性を理解し、さらなる挑戦を促す環境づくりが反映されています。将来的には、障がい者が自立して働く社会を実現するための第一歩となることでしょう。
インターンシップの流れ
インターンシップは、夏休みなどの長期休暇中や平日などで実施され、企業ごとに作業内容が丁寧に説明されます。利用者たちは作業を通じて、企業の意向を理解しながら取り組むことが求められます。特に高齢者施設での清掃作業では、入居者が快適に過ごせるよう工夫する姿が見られ、利用者同士のコミュニケーション力が育まれます。
最終日には、企業からの評価シートを受け取り、それが自らの次なる目標設定につながるのです。言葉に出せないことや理解できなかった場合には、支援者が間に入り、円滑なコミュニケーションを図ることも重視されています。
理事長の思い
障がい者みらい創造センターを設立した理事長の竹内亜沙美氏は、特別支援学校時代に感じた生徒の進路への不安から、この活動を立ち上げました。「すべての人が平等に挑戦できる社会」を目指した竹内氏にとって、インターンシップはその実現への一歩です。利用者が多様な仕事を知り、自らの得意不得意を発見することができる場として、今後もこの取り組みが続くことを願っています。
今後も障がい者みらい創造センターは、地域に根ざした活動を展開し、障がいのある中高生たちに新しい可能性を提供していきます。