陸上養殖の未来を切り開く新技術「VA式電解ろ過システム」
新たに発表された「VA式電解ろ過システム」は、陸上養殖の革新をもたらします。愛知県一宮市に本社を構える株式会社ベルデアクアが開発したこの新技術は、2025年4月1日に販売開始を予定しており、従来の養殖システムの課題を解消することを目的としています。
陸上養殖を取り巻く問題
近年、海洋資源の枯渇や気候変動に伴う水温の上昇が進み、それにより持続可能な水産業の確立が求められています。特に陸上養殖は、安定した生産が可能な一方で、微生物を用いる生物ろ過方式への依存が技術的な課題として浮上していました。この課題を受けて、ベルデアクアは新たな水処理技術を開発しました。
VA式電解ろ過システムの特徴
このシステムは、独自に開発した電解ろ過技術を使用しており、以下の5つの大きな特徴が挙げられます。
1.
制御可能なアンモニア処理 - 給餌の量やタイミング、魚の成長に合わせて電解強度を調整し、最適なアンモニア処理を実現します。
2.
温度非依存性のろ過性能 - 微生物を使用しないため、水温の変化によってろ過性能が変化しません。これにより、温度帯の異なる魚種にも対応可能です。
3.
病原菌・寄生虫リスクの低減 - 海水を電気分解することで生成される次亜塩素酸ナトリウムが水を循環させ、病原菌や寄生虫の発生リスクを低下させます。
4.
水作り期間が不要 - 微生物を使わないため、従来必要とされていた水作りの期間が一切不要ですぐに運用が可能です。
5.
オフフレーバーの発生リスク低減 - 特に出荷前の魚にとって有害であるジェオスミンや2-メチルイソボルネオールの発生が抑えられ、商品価値を向上させることができます。
効率的な養殖環境を実現
この技術を用いることで、ベルデアクアは陸上養殖の新たなスタンダードを提案しています。実際に自社ラボでクエタマやカワハギなどの魚を養殖し、現場のニーズを反映させた改良が行われていることも、大きな特長です。さらに、このシステムは新規事業を模索する事業者や既存の養殖業者、さらには研究機関や大学にとっても、非常に有益な選択肢となるでしょう。
未来への貢献
ベルデアクアは、この「VA式電解ろ過システム」を通じて、持続可能な陸上養殖を実現し、地域社会や環境保全活動に貢献することを表明しています。日本の多様な水産文化を未来へとつなげる重要なステップとなるでしょう。
今後も、陸上養殖のさらなる発展に期待が寄せられています。興味のある方は、ぜひベルデアクアの最新情報をチェックしてみてください。
会社概要
- - 会社名:株式会社ベルデアクア
- - 所在地:愛知県一宮市多加木5丁目17-34
- - 設立:2023年10月
- - 事業内容:陸上養殖システムの研究・開発、製造、販売
- - ウェブサイト:ベルデアクア公式サイト
- - Instagram:ベルデアクアInstagram
お問い合わせ先
「VA式電解ろ過システム」によって、未来の持続可能な水産業の基盤が整うことに期待が高まります。