QuastellaがAIで細胞製造を革新
愛知県名古屋市に本社を置く株式会社Quastellaは、評価が難しい細胞製造の品質管理を、AI技術を駆使して実現する新たなシステム「Cytometa」を展開しています。2023年、総額1.1億円の資金調達を実施し、さらなる事業拡大を目指します。
AIが変える品質管理
従来、細胞製造の分野では、熟練技術者が目視での評価を行っていました。この手法にはいくつかの課題が存在します。まず、技術者の経験に依存するため、品質の一貫性が保たれづらく、判断にばらつきが生じやすい点です。また、技術の継承が難しく、新たな人材の育成にも時間がかかります。更には、微細な変化や異常を見逃すリスクも高まります。
こうした問題を解決するため、QuastellaはAIによる画像解析ソフトウェアを導入することで、品質の標準化を図ります。しかし、実際の導入には「どれだけのデータが必要か」、「運用までの手間がかかるのでは」という懸念がつきまといました。これを踏まえ、Cytometaは、細胞の製造環境に最適化された品質評価を行い、ユーザーをサポートするパッケージを提供しています。
Cytometaの特徴
Cytometaは、製造工程における細胞の品質を画像から可視化し、定量評価を行います。このシステムの導入に際しては、以下のポイントが注目されます。
1.
撮影環境の整備:顕微鏡や撮影条件、照明の最適化を図ることで、解析に適した撮影環境を整えます。
2.
画像解析・AIモデルの構築:利用者の評価目的や現場特性に応じた最適な評価手法を提案・検証し、モデルを構築します。
3.
運用設計の支援:工程に合わせた評価フローの構築、プロトタイプ検証を通じた最適化を支援します。
4.
カスタマイズ導入:培養スケールやコスト、運用体制に応じた柔軟な導入設計が可能です。
これにより、属人的な判断から脱却し、データに基づく客観的な品質評価が実現。また、商用生産における技術移転を円滑化し、生産性を向上させることにも繋がります。
成長の軌跡と未来
Cytometaはすでに再生医療関連企業や細胞培養加工施設、CDMOなどで導入されています。今後はさらなる展開を見据え、アジア地域の細胞製造現場への拡大も計画しています。これにより、細胞産業全体の品質管理の標準化と効率化に貢献することを目指しています。
投資家からの期待
Quastellaの取り組みは、地域活性化にも繋がるとの期待が寄せられています。愛知キャピタル株式会社やepiST Ventures株式会社の代表者からは、Quastellaの技術が細胞産業の発展に大きく寄与するといったコメントが寄せられています。特に、愛知キャピタルは、地域のスタートアップ企業への支援を通じて地域活性化を図ることを目標としており、Quastellaもその一翼を担っています。
人材募集について
最後に、Quastellaでは開発や営業、事業開発のさらなる人材拡充を図っており、企業のミッションやビジョンに共感する方からの応募を待っています。興味のある方は、公式サイトからお問い合わせください。
Quastellaは、細胞を利用した!新しい挑戦を支え、未来を切り拓く企業として、地域や世界に笑顔を広げていくことでしょう。