熊本県あさぎり町とクラッソーネの連携協定
最近、熊本県あさぎり町は、解体工事DXプラットフォームを運営する株式会社クラッソーネと「空き家除却促進に係る連携協定」を締結しました。この協定は、増加する空き家への対策として、地域の安全で安心な住環境の実現を目指すものです。
空き家問題の現状
日本国内では、空き家の数が近年増加しており、特に熊本県の空き家数も著しい増加を見せています。総務省の「令和5年住宅・土地統計調査」によると、全国の空き家数は900万戸で、空き家率は13.8%に達しています。また、熊本県のデータによれば、空き家数は5年前から1万5千戸増加し、現在は12万7千戸、空き家率は14.9%という高い水準にあります。
あさぎり町では、令和4年度に実施した調査によって674件の空き家を特定しました。この数は、過去の調査と比べ184件の増加を示しています。この問題の解決に向けて、あさぎり町は空き家対策計画を策定し、地域特性に応じた対策を模索しています。
クラッソーネの取り組み
クラッソーネは、全国2,100社以上の解体業者と施主をマッチングするプラットフォームを運営しており、過去に累計15万件以上の実績を持っています。住民が自らのニーズに応じた空き家対策を立てられるように、解体費用や土地売却査定を支援する「すまいの終活ナビ」というサービスも提供しています。また、全国119の自治体とも連携し、公民連携で空き家対策に取り組んでいます。
協定締結後は、あさぎり町内の空き家の除却促進を図り、それに伴う住民対応の質向上や業務効率化を目的とし、IT技術やデータを活用します。
連携協定の主な内容
今回の連携協定に基づく主な取り組みは以下の通りです:
1.
解体費用と土地売却査定の提示:市民は「すまいの終活ナビ」を通じて、自身の不動産に関する概算費用を簡単に知ることができます。
2.
空き家通報フォームの導入:住民が気になる空き家を自治体に通報できる「お困り空き家の連絡フォーム」を設置し、情報共有を図ります。
3.
フライヤーの配布:空き家所有者に向けて、解体の進め方に関する情報提供を行います。
4.
相談窓口の設置:空き家対策を通じて、町民や所有者の相談に乗り、必要に応じてクラッソーネのサービスや情報を活用していきます。
地域住民への期待
あさぎり町の北口俊朗町長は、地域の人口減少や高齢化に伴い、相続されたまま放置される住宅が増えている問題を指摘しています。これにより、防災や防犯、地域の衛生環境の悪化など様々な問題が生じることが懸念されています。今回の協定があさぎり町の空き家問題を解決する手助けとなることが期待されています。
一方、クラッソーネの川口哲平CEOは「街の循環再生文化を育む」というビジョンのもと、地域環境の向上に寄与する取り組みの重要性を強調し、自治体との連携強化を進めていく意向を示しました。
あさぎり町について
あさぎり町は、熊本県南部の球磨盆地に位置し、近隣には宮崎県との県境があります。町の地形は南北に長い楕円形をしており、約65%が山林で、残りが農地や居住エリアとなっています。全国的にも珍しい豊かな自然環境に恵まれた地域です。
この連携協定は、地域の未来を考える重要な一歩となりそうです。今後の活動に注目が集まります。