豊橋に新たな舞台、つつじが丘保育園が開園
愛知県豊橋市に、全国の学生の建築アイデアを基にした新たな保育園が誕生しました。それが、2025年4月に開園した「つつじが丘保育園」です。この保育園は、老朽化した新吉保育園を移転し、豊橋市佐藤5丁目に新しく設けられました。
学生たちの斬新な提案
つつじが丘保育園の開設にあたり、豊橋市は2022年に「とよはし公共建築学生チャレンジコンペティション」を実施。このコンペでは、全国の学生から建築計画が応募され、保育士との意見交換を通じて設計案が具体化されました。
114組の中から選ばれたのは、名古屋工業大学の学生たちによる「風土の中のさんぽミチ」というコンセプト。提案したのは中山朋紀さん、原希望さん、永井里奈さんの3人です。彼らのアイデアには、毎日の発見を楽しむことができるような保育園にしたいという思いが込められています。
木のぬくもりに包まれた園舎
完成したつつじが丘保育園は、木造の2階建てで延べ907平方メートルの広さを持ちます。中庭には「みんなのニワ」が設けられ、ブルーシートの下で芝生の感触を楽しむ園児たちの姿が見られます。園舎を取り囲む縁側「さんぽミチ」は、長い軒の出を設けることにより、日差しや雨を遮ることができます。
様々な年齢の保育室は開放感にあふれ、木の温もりを感じる空間となっています。また、保育室の配置には、子どもたちの自発的な遊びを促す考慮がなされています。「隠れニワ」という小庭もあり、自然に触れながら遊ぶことができる環境が整っています。
つつじが丘保育園は、前の保育園から移った22人に加え、新たに47人の園児を迎え、合計69人でのスタートです。さらに、多様な保育ニーズに応えるため、一時預かりや病児保育など新たなサービスも提供予定で、2025年5月に始まります。
開園式での祝福の瞬間
開園式は、2023年4月2日に中庭で盛大に行われ、長坂市長や髙田園長、園児たちが出席しました。この時、長坂市長は開園の特長を紹介し、豊橋市にとって子どもたちの成長を支える重要な一歩であることを強調しました。
また、髙田園長は、子どもたちが四季の変化を感じながらのびのびと遊ぶ姿にわくわくすると語り、保育園を笑顔あふれる場にすることを目指すと決意を新たにしました。
園児たちも、象徴として鍵の貸与を受け、保育の未来に向けて新しい一歩を踏み出しました。提案した学生たちもこの日式に参加し、子どもたちの姿を見て期待感を抱きました。中山さんは、「長く愛されるような園になってほしい」と語り、原さんは「豊橋の風土に触れながら育ってほしい」と願いを述べました。
学生と地域のつながり
また、閉園した新吉保育園の保護者会からは、新しく生まれ変わったつつじが丘保育園に絵本やおもちゃなどが贈られました。地域との繋がりも大切にされており、多くの人々の期待が寄せられています。
つつじが丘保育園は、学生のアイデアと地域の人々が協力して作り上げた、温かく魅力的な保育空間です。これからの園児たちの成長が楽しみです。