歯間清掃具の長期使用が歯の喪失リスクを低下
最近、サンスターグループが自治医科大学との共同研究において、歯間清掃具の使用年数と歯の喪失リスクに関する重要な結果を発表しました。この研究は、サンスター従業員の5年にわたる歯科健康診断データを基に行われ、歯の健康維持における歯間清掃具の役割を明らかにしました。
研究の背景と目的
歯の喪失は、全身の健康に影響を及ぼす可能性があるため、日常的な口腔ケアが重要とされています。その一環として、歯間清掃具を使用することが効果的であることが広く知られていますが、長期間にわたるその効果についての研究はほとんど行われていませんでした。札幌のリアルな状況を踏まえ、この研究では従業員を対象に、歯間清掃具の長期使用が歯の喪失にどのように寄与するかを検証しました。
研究対象者と方法
本研究には、2012年から2017年にかけて歯科健康診断を受けた845人のサンスター従業員が参加しました(平均年齢47.8歳)。彼らのデータをもとに、使用する歯間清掃具の種類や年数、そして歯の喪失に関する情報が分析されました。参加者は、歯周病の有無に基づいて「健常群」と「歯周炎群」に分類され、各群に対して回帰分析が実施されました。
研究結果
1.
対象者の特徴
歯周炎群では女性の比率が低く、年齢が高く、むし歯の経験が多いことが観察されました。一方、健常群ではデンタルフロスを4〜5年使用する人が多いのに対し、歯周炎群では歯間ブラシを使用する人にその傾向が見られました。
2.
歯の喪失と使用年数の関連性
健常群においては、デンタルフロスの使用年数が4〜5年の人たちが、0〜1年使用者に比べて歯の喪失リスクが約58%低いことが分かりました。また、歯周炎群でも歯間ブラシの使用者が4〜5年になると、歯の喪失リスクがさらに低くなる傾向が示されました。これらの結果は、長期的な使用が歯の健康において重要であることを強調しています。
結論と今後の展望
本研究から得られた知見により、定期的な歯間清掃具の使用が歯の喪失リスクを大幅に低減する可能性が示されました。特に、健康状態に応じた適切な清掃具の選択が重要であることも確認されました。今後は、より多くのデータを採取し、個々の口腔状態に応じた最適なオーラルケアの指導が求められます。
この結果は、若年層から高齢者まで、幅広い層の人々にお口の健康の重要性を再認識させる上で大きな意味を持つものです。自分に合った歯間清掃具を選ぶことで、長期的な口腔内の健康維持に貢献できるでしょう。ぜひ、日常的な口腔ケアを見直し、一日の生活に取り入れてみてください。健康な歯を保つための第一歩です。