愛知県大府市が実施する早朝居場所づくり
近年、共働き家庭の増加に伴い、小学生の登校前にどう過ごすかが課題となっています。特に「小1の壁」と言われる課題が顕著で、児童が学校へ行く前に居場所を確保することは、保護者の育児や仕事との両立に大きな影響を与えます。そんな現状を受けて、愛知県大府市では、小学生を対象に「早朝の居場所づくりモデル事業」を始めることになりました。これは、愛知県内でも初の試みとなります。
事業の概要
このモデル事業は、2025年の2学期から実施予定であり、共和西小学校と石ヶ瀬小学校の体育館が利用されます。具体的には、平日の朝7時から8時までの間、児童が安心して過ごせる場を提供します。運営は公益社団法人大府市シルバー人材センターに委託され、地域の高齢者が見守り役として参加します。このシステムは、シルバー人材センターが持つ経験と知識を活かし、地域に貢献する機会を創出すると同時に、高齢者の社会参加を促進する狙いもあります。
利用対象と申込方法
利用対象となるのは、保護者からの事前登録を受けた児童で、委託されたシルバー人材が見守り役を務めます。初年度は共和西小学校で26人、石ヶ瀬小学校で20人の児童がそれぞれ登録される見込みです。申し込みは、2025年の6月に予定されています。
利用料と予算
利用料は無料とされており、予算は273万円が確保されています。この資金は国の「こどもの居場所づくり支援体制強化事業」の補助金を利用しており、子供たちが安心してステイできる環境を提供するために活用されます。
開催の流れ
早朝の運用は、6時半から7時の間に体育館が開放され、シルバー人材センターの見守り員が居場所の準備を行います。登校の時間は7時から8時の間で、利用児童はその時間内に来校し、タブレットを用いた自主学習や読書、折り紙などを楽しむことができます。その後、8時から8時半の間に教室へ移動します。
緊急時の対応
万が一の場合には、シルバー人材センターの見守り員が迅速に保護者へ連絡を行い、適切な対応を取る体制が整えられています。これにより、安心して利用できる環境が確保されています。
地域への影響
この事業が成功すれば、地域の子供たちに学ぶ機会を提供するだけでなく、保護者にとっても心理的な負担を軽減することに繋がります。また、シルバー人材にとっても新たな活動の場が提供されたことで、地域への貢献が期待されます。
大府市の『早朝の居場所づくり』は、地域全体の育成環境を一層質の高いものにする一助となることでしょう。今後の展開にも目が離せません。