就職氷河期世代の実情と未来への不安を明らかにする調査結果

就職氷河期世代の実情と未来への不安

近年、就職氷河期世代が抱える問題が注目を集めています。この世代は、1990年代のバブル経済の崩壊以降、厳しい就職環境の中で社会人生活を開始したため、採用機会が限られ、非正規雇用や低賃金などの困難に直面しました。そんな彼らを対象に行われた調査は、現在のキャリア、生活、そして老後に関する様々な不安を炙り出しています。

調査の概要とその目的

WeCapital株式会社が実施した調査は、就職氷河期世代に焦点を当て、1,013人の働く人々を対象に行われました。この調査の目的は、彼らのキャリアや生活、老後についての不安を探り、社会にどのような支援が求められているかを明らかにすることです。

キャリアに対する不満

調査における結果の一つとして、約半数がこれまでのキャリアの中で「給料が思うように上がらない」と感じていることが挙げられています。具体的には、45.1%がこの不満を抱えており、その背景には賃金の停滞と希望する職に就けなかったことが影響しています。多くの回答者が「責任や業務量に見合った報酬や評価を得られない」と感じており、仕事のやりがいと報酬の間に大きなギャップが存在しています。

経済的余裕の欠如

また、自由に使える月の金額に関する質問では、『10,000円〜30,000円未満』と答えた人が最も多く、全体の約6割を占めており、この金額では心の余裕を持つことが難しいとされています。実際、多くの人が「心に余裕を持つためには月に50,000円〜100,000円未満の金額があればよい」と回答しており、実情とのギャップが浮き彫りになりました。

老後への不安

老後に対する不安も深刻です。72.8%の回答者が「年金だけでは生活できない」と感じており、医療費や介護費の増加、働き続けることへの不安も多くの人が抱えています。老後に対する不安は、制度だけでは安心できないという認識を示しており、将来に対する具体的な対策が求められています。

支援策に対する期待と不信

また、政府や自治体による支援策に対しては、約8割が「期待していない」と回答しており、その理由として「支援が遅すぎる」といった声や、「既存の制度が効果をもたらさない」環境に対する不信感が浮き彫りになっています。一方で、求められている支援内容としては、年金制度の見直しや医療・介護費の軽減が注目され、現実的な負担軽減策へのニーズが高いことも示されています。